セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-化学療法 1

タイトル 外P-326:

ステージIII直腸癌に対する術後経口補助化学療法の検討

演者 田代 浄(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科)
共同演者 山口 茂樹(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 石井 利昌(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 諏訪 宏和(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 近藤 宏佳(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 鈴木 麻未(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 康 祐大(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 宮澤 光男(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 小山 勇(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科)
抄録 【目的】ステージIII直腸癌の病期亜分類別から治療成績(3年無再発生存:3y-RFS)を比較し術後補助化学療法を検証した.【方法】対象は根治切除が施行されたステージIII直腸癌103例(RSを除く).全例経口抗癌剤を投与し,投与期間は6ヵ月.Intent-to-treat解析.病期は大腸癌取扱い規約6版とUICC/TNM7版を用いた.手術単独群vs.補助療法群をK-M法, logrank test,比例ハザードモデルを用いて検定,平均観察期間は32.3ヵ月.【成績】手術単独群は30例(30%),補助療法群は73例(70%)で補助療法完遂率は82%(60例)だった.平均年齢は手術単独群で高い傾向にあった(手術単独群66.3歳 vs. 62.7歳.p=0.0804)が,性別(p=0.56),占居部位Ra/Rb(30例 vs. 73例.p=0.81),手術方法Open/Lap(60例 vs. 43例.p=0.59)に差はなかった.ステージIII直腸癌全体の3y-RFSは63.1%,手術単独群は63.3%,補助療法群は63%だった(p=0.6324).規約別IIIa/IIIbの3y-RFSは79.4/37.6%(p=0.63).IIIaの手術単独群は80%,補助療法群は79.1%(p=0.89),IIIbの手術単独群は30%,補助療法群は40%(p=0.16)だった.TNM別IIIA/IIIB/IIICの3y-RFSは88.9/65.4/29.2%.IIIAの手術単独群は80%,補助療法群は94.1%(p=0.23),IIIBの手術単独群は56.3%,補助療法群は69.4%(p=0.12),IIICの手術単独群は50%,補助療法群は25%(p=0.76)だった.規約のIIIbとTNMのIIICは特に予後不良であった.全体の再発率は35.9%(37例).再発までの期間(中央値)は9.1ヵ月(2.1-31.2)で,6ヵ月以内の術後早期再発は27%(10例)と再発までの期間は比較的短く,遠隔転移が主体であった.【結論】直腸癌術後経口補助化学療法による無再発生存の有意な改善は得られなかった.術後早期再発の遠隔転移に対し薬剤変更を含めた術前制御(neoadjuvant chemo)の必要性が示唆された.
索引用語 直腸癌, 術後補助化学療法