セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-化学療法 2 |
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タイトル | 外P-332:切除不能・再発大腸癌2次治療FOLFIRI療法とUGT1A1遺伝子多型 |
演者 | 石橋 敬一郎(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科) |
共同演者 | 岡田 典倫(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 松澤 岳晃(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 幡野 哲(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 桑原 公亀(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 傍島 潤(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 石畝 亨(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 隈元 謙介(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 熊谷 洋一(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 馬場 裕之(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 芳賀 紀裕(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科), 石田 秀行(埼玉医大総合医療センター・消化管・一般外科) |
抄録 | 【目的】UGT1A1遺伝子多型はイリノテカンの有害事象と関係すると報告されている.今回,実地臨床におけるUGT1A1遺伝子多型と切除不能・再発大腸癌2次治療におけるFOLFIRIベースの治療成績について検討した.【対象・方法】2007年1月から2012年3月の間に,切除不能再発大腸癌に対して1次治療oxaliplatin+ bevacizumab(bev)療法が施行され,2次治療としてFOLFIRI±bevが導入された122例のうちUGT1A1遺伝子多型が確認された23例を対象とした.治療成績についてretrospectiveに検討した.【結果】年齢中央値64(42-84)歳,男性12例,女性11例.FOLFIRI 5例,FOLFIRI+bev 18例.ホモ接合体の症例はなかった.UGT1A1ヘテロ接合体は13例であり,UGT1A1*28 5例,UGT1A1*6 8例,共にヘテロ接合体の症例はなかった.UGT1A1*28,*6がともに野生型は10例であった.野生型と,ヘテロ接合体の間に年齢,性別,bev併用率に差はなかった.奏効例はなく,SDは野生型4例(44%),ヘテロ接合体5例(42%)と病態制御率に差はなかった(p>0.99).2次治療の無増悪生存期間中央値は各々4.1ヶ月,7.1ヶ月(p=0.59),2次治療の全生存期間中央値は各々5.9ヶ月,7.3ヶ月(p=0.59)と差はなかった.Grade1以上の有害事象の頻度は野生型8例(80%),ヘテロ接合体全例に(p=0.18)認められ,grade3以上は各々5例(50%), 9 例(69%)(p=0.42)に認められたが差はなかった.grade3以上の好中球減少は各々4例(40%), 8例(62%)(p=0.61),grade3以上の下痢は各々1例(10%),0例(p>0.99)と差はなかった.【結語】実地臨床における少数例の検討であるが,UGT1A1ホモ接合体症例はなかった.ヘテロ接合体症例においては,grade3以上の好中球減少については無視できない頻度で認められた.今後,この点について確証を得るには多施設による前向き研究を行う必要があると考えられる. |
索引用語 | UGT1A1, 大腸癌 |