セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-化学療法 3

タイトル 外P-334:

SOFT Study: 切除不能大腸癌に対するmFOLFOX6+Bev療法とSOX+Bev療法との第III相試験

演者 岩本 慈能(関西医大・外科)
共同演者 馬場 秀夫(熊本大大学院・消化器外科学), 吉田 和弘(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 合田 文則(香川大附属病院・腫瘍センター), 中村 利夫(浜松医大・2外科), 山本 満雄(神戸市立医療センター西市民病院・外科), 高橋 慶一(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 三嶋 秀行(愛知医大病院・臨床腫瘍センター), 渡邊 昌彦(北里大・外科), 杉原 健一(東京医歯大大学院・腫瘍外科学)
抄録 【目的】切除不能大腸癌(mCRC)に対する一次治療として,mFOLFOX6+ bevacizumab(Bev)療法を対照とし,SOX+ bevacizumab(Bev)療法の無増悪生存期間(PFS)における非劣性を検証した.
【方法】化学療法未施行のmCRC患者をmFOLFOX6+Bev療法とSOX+Bev療法へ無作為に割り付けた.mFOLFOX6+Bevはday1にBev 5mg/kgを点滴静注後,L-OHP 85mg/m2l-LV 200mg/m2を投与し,5-FU 400mg/m2を急速静注した.その後,5-FU 2400mg/m2を46時間で持続静注し,これを2週毎に繰り返した.SOX+Bevはday1にBev 7.5mg/kgを点滴静注後,L-OHP 130mg/m2を投与した.TS-1は40-60mg/bodyをday1夕食後からday15朝食後まで1日2回経口投与し,その後7日間休薬し,これを3週毎に繰り返した.
【成績】2009年2月から2011年3月までの間に512例が登録された.PFSの中央値はmFOLFOX6+Bevで11.5ヶ月,SOX+Bevで11.7ヶ月であった(HR=1.043; 95% CI: 0.860-1.266; non-inferiority test p=0.0139).奏効率はmFOLFOX6+Bevで62.7%,SOX+Bevで61.5%であった. mFOLFOX6+BevとSOX+Bevの主なGrade 3/4の有害事象は,白血球減少(8.4% vs 2.4%),好中球減少(33.7% vs 8.8%),食欲不振(1.2% vs 5.2%),下痢(2.8% vs 9.2%)であった.本学会では,腫瘍縮小により手術可能と判断し試験治療中止後に手術を実施した症例を中心に検討し,一次治療後の治癒切除の可能性について考察する.
【結論】mCRCに対する一次治療として,mFOLFOX6+Bev療法に対するSOX+Bev療法のPFSにおける非劣性が証明された.本試験より,SOX+Bev療法がmFOLFOX6+Bev療法の代替治療となり得ることが示された.
索引用語 大腸癌, TS-1