セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-化学療法 3

タイトル 外P-335:

進行再発大腸癌化学療法におけるFOLFIRI,FOLFOX±bevacizumab不応後の抗EGFR抗体による3次治療

演者 永田 仁(獨協医大・2外科)
共同演者 高木 和俊(獨協医大・2外科), 石塚 満(獨協医大・2外科), 岩崎 喜実(獨協医大・2外科), 窪田 敬一(獨協医大・2外科)
抄録 【目的】FOLFIRI,FOLFOX不応となった場合の3次治療として抗EGFR抗体投与を行った症例の予後因子の検討.【方法】2005年12月から2013年2月までに進行再発大腸癌に対して1次,2次治療でFOLFIRI,FOLFOXをともに用いて当科で治療を施行した207例中,2次治療でPDとなり,3次治療で抗EGFR抗体投与を行った20例を対象として年齢,性別,原発巣,3次治療開始時の転移臓器数,PS,CPT-11併用の有無,3次治療による腫瘍縮小効果,有害事象としての皮膚障害,3次治療PD後の治療が予後に与える影響について検討した.評価はRECIST ver.1.1で行い,生存曲線はKaplan- Meier法を用いて求め,検定はLogrank testを用いて行った.【成績】20例の内訳は男性15例,女性5例.原発巣は結腸が15例,直腸が5例.3次治療開始時年齢中央値は62歳で70歳以上は7例だった.PSは0,1が15例,2が3例,3が2例だった.転移臓器数は1個が2例,2個が7例,3個以上が11例だった.KRASは野生型17例,変異型1例,不明2例だった.17例はCPT-11と併用していた.3次治療のCRは0例,PRは5例,SDは8例,PDは7例だった.grade 3以上の皮膚障害は10例に認めた.3次治療でPDとなった症例は17例あり,PD後に抗EGFR抗体を変更して投与(抗EGFR抗体変更群)が1例,3次治療を継続(継続群)が5例,best supportive care(BSC群)は11例だった.3次治療開始後の生存期間に影響を与えたのはCPT-11併用の有無のみで,CPT-11併用ありは生存期間中央値が9.4ヶ月,なしが5.0ヶ月(p=0.0093)と併用群で有意に延長していた.年齢,性別,原発巣,3次治療開始時の転移臓器数,PS ,grade 3以上の皮膚障害の有無,腫瘍縮小効果,3次治療PD後の治療による差は認めなかった.【結論】FOLFIRI,FOLFOX不応となった場合の3次治療として抗EGFR抗体投与を行った症例の予後因子はCPT-11併用の有無であり,可能な限りCPT-11を併用することにより予後の延長が期待される.
索引用語 大腸癌, 化学療法