セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-集学的治療 1
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タイトル |
外P-338:同時性巨大肝転移を伴う大腸癌に対してconversion chemotherapyを行い根治切除が可能となった3症例
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演者 |
向川 智英(県立奈良病院・外科) |
共同演者 |
高 済峯(県立奈良病院・外科), 石川 博文(県立奈良病院・外科), 松阪 正訓(県立奈良病院・外科), 中谷 充宏(県立奈良病院・外科), 西口 由希子(県立奈良病院・外科), 渡辺 明彦(県立奈良病院・外科) |
抄録 |
【はじめに】近年,新規抗癌剤や分子標的薬による多剤併用療法によって切除不能例が切除可能となる例もまれではなくなってきた.今回,切除不能あるいは困難な巨大肝転移に対してconversion chemotherapyを行い腫瘍縮小効果が得られ,根治切除可能となった3症例を経験したので報告する.【対象】2010年1月~2013年2月までの間に当科で施行した初発大腸癌手術症例235例のうち同時性肝転移症例が30例(12.8%)存在し,このうち最終的に肝切除が可能であったものは17例であった.3例は当初切除不能と判断したが,conversion chemotherapyにより肝切除を行った.【症例1】69歳,女性.2011年10月に閉塞性S状結腸癌,巨大肝転移に対し,ハルトマン手術,D3郭清施行.術後mFOLFOX6+Bevacizumab療法を4コース行い腫瘍が縮小したため,2012年1月に拡大肝右葉切除,門脈合併切除,胆嚢摘出術施行.術後XELOX療法を8コース行った後,人工肛門閉鎖,結腸直腸吻合術施行.現在無再発生存中.【症例2】64歳,女性.2011年12月にS状結腸癌,巨大肝転移に対し,S状結腸切除,D3郭清施行.術後mFOLFOX6+Bevacizumab療法を6コース行い腫瘍が縮小したため,2012年1月に拡大肝右葉切除,肝部分切除(S4),胆嚢摘出術施行.術後mFOLFOX6療法を6コース行い,現在無再発生存中.【症例3】63歳,男性.2012年3月初診.直腸癌,巨大肝転移に対し,術前XELOX療法を2コース行った後,同年5月に前方切除術,D3郭清施行.さらにXELOX療法を2コース行った後,2012年9月に拡大肝右葉切除,門脈・下大静脈合併切除,胆嚢摘出術,傍大動脈リンパ節郭清施行.術後XELOX療法継続中も,残肝再発が確認され加療中.【まとめ】化学療法の進歩により切除不能と思われる巨大肝転移に対しても積極的にconversion chemotherapyを試みることで,根治切除可能症例の増加が見込めると考えられた. |
索引用語 |
大腸癌肝転移, conversion therapy |