セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-集学的治療 1 |
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タイトル | 外P-342:75歳以上高齢者進行再発大腸癌に対する集学的治療の検討 |
演者 | 井上 靖浩(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
共同演者 | 川本 文(三重大大学院・消化管・小児外科学), 沖上 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学), 奥川 喜永(三重大大学院・消化管・小児外科学), 廣 純一郎(三重大大学院・消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大大学院・消化管・小児外科学), 荒木 俊光(三重大大学院・消化管・小児外科学), 田中 光司(三重大大学院・消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大大学院・消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
抄録 | 【背景】近年,進行再発大腸癌に対する化学療法の進歩に加え,Conversion chemotherapy後の転移巣切除など集学的治療による予後改善が一層期待できるようになった.しかしながら,高齢者大腸癌患者においては化学療法のレジメン選択や手術適応などは必ずしも若年者同様でないと考えられ,十分なコンセンサスは得られていない.【目的】75歳以上の大腸癌患者における集学的治療の適応,効果,安全性について,当科の治療成績からretrospectiveに評価し,高齢者大腸癌患者における集学的治療の意義を考察した.【対象と方法】治療的化学療法を先行させた治癒切除不能進行再発大腸癌272例(2000-2012)を対象とした.平均年齢64.2歳,男性163例,女性109例.化学療法の効果が得られた症例を対象に2次切除あるいはRFAが92/272例(33.8%)に施行されており,高齢者におけるこれら集学的治療の位置付けを評価した.【結果】75歳以上の高齢群は37/292例(12.3%)であり,非高齢群(n=235)と比較し有意にPerformance Status 0が少なく(21.6% vs. 44.3%, p=0.0093),既往合併症が多かった(40.5% vs. 19.6%, p=0.0045).集学的治療は高齢群10/37(27.0%),非高齢群87/235(34.9%)に導入されたが,導入率に有意差は認めなかった.集学的治療群では高齢群も非高齢群と同様のレジメン選択が行われたが,化学療法単独治療群ではCPT-11回避,5-FU多用の傾向がみられた.平均観察期間28.7ヶ月において,高齢・非高齢群での予後に有意差はみられず(MST34.9ヶ月 vs. 26.7ヶ月),集学的治療導入による予後改善効果も年齢に関わらず認められ,高齢群でMST52.7ヶ月vs. 29.8ヶ月(p=0.0423),非高齢群でMST 43.7ヶ月 vs. 20.2ヶ月(p<0.0001)であった.【まとめ】高齢者の状態に合わせ減弱した化学療法選択や集学的治療導入であっても,安全に一定の予後改善効果を認めた.今後は,高齢者における集学的治療導入の患者選択が課題である. |
索引用語 | 大腸癌, 高齢者 |