セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-集学的治療 2

タイトル 外P-344:

進行直腸癌に対するUFT/UZEL内服併用による術前化学放射線療法の経験

演者 尾形 英生(獨協医大・1外科)
共同演者 倉山 英豪(獨協医大・1外科), 井原 啓佑(獨協医大・1外科), 上野 望(獨協医大・1外科), 勝又 大輔(獨協医大・1外科), 山口 悟(獨協医大・1外科), 加藤 広行(獨協医大・1外科)
抄録 【はじめに】進行直腸癌における術前化学放射線療法の目的は,局所再発の制御と肛門括約筋機能の温存である.当科での経験を報告する.【対象とプロトコール】対象は2012年以降の深達度cSS/A~SI/AIの進行直腸癌および骨盤内再発例で,治療開始時に遠隔転移を認めない症例.照射範囲は側方リンパ節を含む小骨盤で多門照射を基本とした.総線量50Gy/25分割でUFT300mg/m2/日とUZEL75mg/body/日を照射日のみ内服.手術は照射最終日から8~10週後に施行.【結果】9例に化学放射線療法を施行(症例1:57歳・男・Rb-P,症例2:67歳・男・Rb-P,症例3:76歳・男・Rb,症例4:83歳・男・Rb-P,症例5:82歳・女・Ra,症例6:60歳・男・RS,症例7:69歳・男・骨盤内再発,症例8:61歳・男・Rb,症例9:42歳・女・Rb).5例で根治手術を施行(症例1~4,7),1例は多発骨転移のため手術中止(症例5),1例は多発肝転移のため手術中止(症例6),2例は手術待機中(症例8,9).化学放射線療法による有害事象,組織学的効果判定,施行術式は以下の通りであった.症例1(a)血液毒性:なし,(b)非血液毒性:なし,(c)組織学的効果判定:Grade3,(d)術式:超低位前方切除.症例2(a)なし,(b)肛門痛,(c)Grade2,(d)腹会陰式直腸切断.症例3(a)なし,(b)下痢Grade2,(c)Grade2,(d)部分的内肛門括約筋切除.症例4(a)なし,(b)肛門痛,食欲不振・悪心Grade2,(c)Grade2,(d)腹会陰式直腸切断.症例5(a)なし,(b)食欲不振・悪心Grade1.症例6(a)なし,(b)なし.症例7(a)好中球減少Grade2,(b)肛門痛,(c)Grade2,(d)部分的内肛門括約筋切除.症例8(a)なし,(b)下痢Grade3,肛門痛.症例9(a)なし,(b)下痢Grade2,肛門痛.9例すべてでプロトコール通りの治療が完遂できた.【結語】進行直腸癌に対するUFT/UZEL内服併用による術前化学放射線療法は有害事象の発現が少なく,高い治療完遂率であった.今後さらに症例数を増やして検討する必要はあるが,本療法は安全で効果的なプロトコールと考えられた.
索引用語 化学放射線療法, 直腸癌