セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-集学的治療 2 |
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タイトル | 外P-347:当科における肝切除術前化学療法を行った大腸癌肝転移切除症例の治療成績および予後因子に関する検討 |
演者 | 中村 浩之(廣島総合病院・外科) |
共同演者 | 中光 篤志(廣島総合病院・外科), 今村 祐司(廣島総合病院・外科), 佐々木 秀(廣島総合病院・外科), 香山 茂平(廣島総合病院・外科), 大下 彰彦(廣島総合病院・外科), 加納 幹浩(廣島総合病院・外科), 加藤 楽(廣島総合病院・外科), 垰越 宏幸(廣島総合病院・外科), 山口 拓朗(廣島総合病院・外科), 熊田 高志(廣島総合病院・外科) |
抄録 | 【背景】当科では大腸癌肝転移に対して化学療法の感受性判定,微小転移制御目的に化学療法施行後に肝切除を行う方針を基本としている.【目的・対象と方法】肝切除術前化学療法(CTx)を行った大腸癌肝転移切除症例31例(平均年齢64歳,男女比21:10)の治療成績,予後因子をretrospectiveに検討.【結果】(肝切除術前)肝転移度H1/2/3 19/11/1例.肝転移Grade A/B/C 13/16/2例.同時性肝転移25例.レジメンはオキサリプラチン(OX)and/or イリノテカン(IRI)ベース25例(Bevacizumab併用10例,Cetuximab併用1例),LV/5FU 4例等.化学療法前診断は,切除可能(NAC症例)16例,切除困難(Conversion症例)15例(多発5例,巨大4例,局在不良1例,肝外転移2例等).Grade 3/4の有害事象10例(33%)で(血液毒性9例,末梢神経障害1例),薬剤の減量や休薬で軽快.術前CTxコース数中央値6コース(2-50).画像上CR 1例,PR 15例,SD 7例,PD 7例で奏功率52%,pCR 2例.(肝切除)部分切除10例,亜区域切除以上21例.肝外転移6例(19%)で,5例に合併切除施行(肺・横隔膜2例,腹膜播種1例).R0切除26例(84%)で,NAC症例中16例(100%),Conversion症例中10例(67%).(肝切除術後)Clavien-Dindo分類Class III/IVの術後合併症なし.術後在院日数中央値13日(7-205).術後補助CTx施行28例(90%)で,OX and/or IRIベースレジメン16例,分子標的治療薬使用12例.再発22例(71%)で,全例CTx施行.残肝再発17例中再肝切除3例,RFA 1例.(長期予後)生存期間中央値39ヶ月.多変量解析では残肝再発ありが有意な独立予後不良因子(HR 14.6; 95% CI 1.54-138; P=0.019).【結語】大腸癌肝転移症例に対する分子標的治療薬を含めた肝切除術前化学療法は安全に施行可能で,奏功率や生存期間は良好.再発率は高く,特に残肝再発症例は予後不良であるが,再肝切除を含めた集学的治療により予後改善を目指す必要があると考える. |
索引用語 | 大腸癌, 転移性肝癌 |