セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-集学的治療 2

タイトル 外P-348:

大腸癌同時性腹膜播種に対する治療成績

演者 野口 忠昭(高野病院・消化器外科)
共同演者 緒方 俊二(高野病院・消化器外科), 山田 一隆(高野病院・消化器外科), 福永 光子(高野病院・消化器外科), 佐伯 泰慎(高野病院・消化器外科), 田中 正文(高野病院・消化器外科), 中村 寧(高野病院・消化器外科), 村田 隆二(高野病院・消化器外科), 佐藤 太一(高野病院・消化器外科), 深見 賢作(高野病院・消化器外科), 入江 朋子(高野病院・消化器外科), 久野 三朗(高野病院・消化器外科), 高野 正博(高野病院・消化器外科)
抄録 【目的】大腸癌腹膜転移症例における予後規定因子について後ろ向きの解析を行い手術療法と化学療法の有用性について検討.【対象と方法】1986~2012年に原発巣切除を行った大腸癌同時性腹膜転移94例(P1 35例,P2 19例,P3 40例)を対象. (1)臨床病理学的因子と治療関連因子から予後規定因子を同定.(2)予後規定因子別で予後を解析.(3)術後早期腹腔内化学療法(EPIC)16例,術後全身化学療法(FOLFOX)16例,内服・無治療62例における予後を検討.【結果・考察】(1)年齢の平均値は66.8歳,男41例,女53例,播種以外の遠隔転移は54例(57.4%)にみられその内訳は肝44例(H1 8例,H2 8例,H3 28例),N4 16例,肺14例(LM1 1例,LM2 1例,LM3 12例),その他3例.術後化学療法は16例に施行され15例がFOLFOX,1例がXELOX.(2)単変量解析にて予後因子となったのはLN,多臓器転移,癌遺残,EPIC,FOLFOXで多変量解析では多臓器転移(HR 2.7),癌遺残(HR3.14),EPIC(HR 2.14),FOLFOX(HR 5.04).(2)全症例のMSTは10.4m(0.5~172.2m)で,播種の程度別では,P1: 16.1m,P2:15.2m,P3:9.2m.LN無し32.9m,有り10.2m(p=0.0038),多臓器転移無し22.2m,有り6.7m(p<0.0001),癌遺残無し43.1m,有り9m (p<0.0001).多臓器転移のない腹膜転移に対する外科治療は有用.(3)術後化学療法別のMSTはEPIC 20.4m,FOLFOX 29.6m,内服・無治療7.6mで,EPICとFOLFOX間に有意差はなかったが,内服・無治療より良好(p=0.0005 およびp=0.0017).【結語】(1)他の遠隔転移を認めない大腸癌腹膜転移例で,切除可能な症例では外科的治療(R0)の有用性が認められた.(2)安全性の面からは化学療法としては腹腔内化学療法(EPIC)または全身化学療法(FOLFOX)が推奨.
索引用語 大腸癌, 腹膜播種