セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-集学的治療 3

タイトル 外P-349:

当科における大腸癌肝転移に対する集学的治療

演者 諸橋 一(弘前大・消化器外科)
共同演者 室谷 隆裕(弘前大・消化器外科), 高橋 誠司(弘前大・消化器外科), 坂本 義之(弘前大・消化器外科), 小山 基(弘前大・消化器外科), 村田 暁彦(弘前大・消化器外科), 袴田 健一(弘前大・消化器外科)
抄録 【目的】近年,大腸癌肝転移に対する治療戦略は手術と奏功率の高い化学療法の組み合わせにより生存期間の延長が得られているが,その組み合わせ方法には様々な報告があるものの見解は一致していない.当科における大腸癌肝転移に対する治療内容を検討し適切な外科切除のタイミングについて考察する.【方法と対象】2001年から2012年までに当科で経験した大腸癌1481例のうち肝転移指摘時に肝単独転移であった159例を対象とした.(1)背景因子(性別・年齢・原発部位・肉眼型・腫瘍径・組織型・深達度・脈管侵襲・リンパ節転移・同時性/異時性・CEA・肝転移個数・肝転移最大径・H1-3・Grade・肝切除術式・術前化学療法の有無)と生存期間の解析から予後規定因子を検討した.2)肝切除を中心とした集学的治療が行われた89例の治療内容と治療成績を検討した.【結果】(1)単変量解析で原発巣の大きさ,組織型,リンパ節転移の有無,H,grade,個数,肝転移個数,大きさ,肝切除の有無が,多変量解析では原発巣の大きさと肝切除の有無が有意な予後規定因子として抽出された.(2)肝切除術前化学療法は55例(62%)に施行され,肝切除施行89例の5生率は58%,MSTは31.6ヶ月であった.初回術前化学療法の内容はmFOLFOX6が14例,XELOXが25例であり分子標的薬が投与された症例は24例(62%)であった.画像上奏功率は71%,grade2以上の化学療法効果判定は39%であった.conversion chemotherapyは13例(20%)であった.残肝再発率は全体で30%でありconverision群に多い傾向にあった.【結語】大腸癌肝転移は肝切除をすることで予後の改善が得られるため,化学療法により肝切除率を上げることが重要である.一方で残肝再発を減らす目的の化学療法のタイミングについてはまだ課題があると考えられた.
索引用語 大腸癌, 肝転移