セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-集学的治療 3

タイトル 外P-350:

下部進行直腸癌に対するXELOXによる術前化学放射線療法

演者 村田 幸平(市立吹田市民病院・外科)
共同演者 岡村 修(市立吹田市民病院・外科), 和田 佑馬(市立吹田市民病院・外科), 加藤 亮(市立吹田市民病院・外科), 牧野 俊一郎(市立吹田市民病院・外科), 西垣 貴彦(市立吹田市民病院・外科), 大和田 善之(市立吹田市民病院・外科), 岡田 一幸(市立吹田市民病院・外科), 福地 成晃(市立吹田市民病院・外科), 戎井 力(市立吹田市民病院・外科), 衣田 誠克(市立吹田市民病院・外科)
抄録 はじめに:下部進行直腸癌に対して欧米では術前化学放射線療法(CRT)が一般的となっており,局所再発を減少させるために術前CRTが果たす役割は大きい.一方,近年の内服注射併用レジメンの普及に伴い,外来でQOLを保ちながら術前CRTを行うことが可能となっている.我々は,2010年10月より直腸切断術の適応となる進行下部直腸癌症例に対してXELOXを併用した術前CRTを行っており,現在まで4例(うち1例は痔瘻癌)を経験した.治療方法は,術前照射として45Gy/25回,併用化学療法としてゼローダ2000mg/m2x2週投与1週休薬,照射終了後,化学療法単独でXELOXを2コース実施.照射終了3ヶ月後,化学療法終了1ヶ月後を目標に手術を行っている.症例1:51歳女性.主座をPとする低分化腺癌.CRT後の画像評価はPR.グレード2の肛門周囲皮膚びらんを生じたが改善し,腹腔鏡下直腸切断術+右鼠径リンパ節摘出を施行.治療効果は,主腫瘍ではGrade 2,右そけいリンパ節はGrade 3.症例2:61歳男性.RbからPにかかる中分化腺癌.CRT後の画像評価はPR.腹腔鏡下直腸切断術施行.治療効果はGrade 2.症例3:64歳女性.AVから5cm前壁中心で膣壁浸潤を疑う最大径30mmの高分化腺癌.CRT後の画像評価はPR.腹腔鏡下直腸切断+膣後壁合併切除施行.治療効果はGrade 1a.症例4:60歳男性.痔瘻原発と考えられる腺癌.CRT後の画像評価はPR.腹腔鏡下直腸切断+腹直筋皮弁による会陰再建施行.治療効果はGrade 2.結語:全例でダウンステージが達成できた.ただし,手術に支障の出る皮膚障害が発生することもあり,手術時期や,待機中の化学療法の内容,照射野に側方リンパ節やそけい部を含めるべきか等に検討の余地がある.進行直腸癌に対する治療戦略のひとつとしてXELOXは有用である可能性がある.
索引用語 直腸癌, 術前化学放射線治療