セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-集学的治療 3 |
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タイトル | 外P-351:大腸癌転移性肝転移の術前化学療法症例の検討 |
演者 | 西舘 敏彦(札幌医大・1外科) |
共同演者 | 古畑 智久(札幌医大・1外科), 沖田 憲司(札幌医大・1外科), 植木 知身(札幌医大・1外科), 秋月 恵美(札幌医大・1外科), 久木田 和晴(札幌医大・1外科), 小川 宰司(札幌医大・1外科), 目黒 誠(札幌医大・1外科), 川本 雅樹(札幌医大・1外科), 信岡 隆幸(札幌医大・1外科), 木村 康利(札幌医大・1外科), 水口 徹(札幌医大・1外科), 秦 史壮(札幌道都病院・外科), 佐々木 一晃(小樽掖済会病院・外科), 平田 公一(札幌医大・1外科) |
抄録 | 【はじめに】肝転移切除時期については,肝転移診断後に一定期間をおいて肝切除を行う場合と診断後直ちに肝切除を行う方法がある.切除時期については,これまで,転移巣の悪性度における腫瘍学的な討論がなされているが結論はいまだでていない.大腸癌肝転移症例に対しの最近における現在の当科の治療方針としては,原則的に化学療法を行い,2-3ヶ月の経過観察を行い,肝切除適応症例に対し手術を行っている.【対象】1991年以降の大腸癌肝転移切除適応の78症例を対象とした.【方法】肝切除術前化学療法施行群30例と化学療法未施行群48例に対し,治療経過について検討した.【結果】肝切除前化学療法施行群の内訳は,同時性肝転移20例,異時性肝転移10例であった.術前化学療法は,mFOLFOX6 23例,IFL2例,IRIS2例,その他3例であった(分子標的薬3例使用).予定の術前化学療法施行率は,26/30(86.6%)であった.現在,肝切除前化学療法施行群で,治療中に肝切除適応除外となった症例は認めなかったが,術前FOLFOX療法により肝機能の低下を認めたため,術前休薬機関の延長を要した症例を認めた.また,重篤な術後合併症は認めなかった.術後5年生存率は,化学療法未施行群は,56.6%(平均観察期間5.2年),施行群76.6%(平均観察期間3.6年)であった.【考察】大腸癌肝転移症例に対する術前化学療法は安全に施行可能であったが,至適な投与期間などは今後さらなる検討が必要であると考える.術前化学療法を行い治療効果を判定することにより,肝切除後の補助化学療法を選択できる利点もあると考える.【結語】新しい化学療法や分子標的治療を積極的に行うことにより,大腸癌肝転移の治癒を目指すことも治療戦略の上で重要と考えられた. |
索引用語 | 大腸癌, 肝転移 |