セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-診断 2

タイトル 外P-362:

大腸癌における血清p53抗体測定の有用性

演者 大田 貢由(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター)
共同演者 石部 敦士(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 渡辺 一輝(横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学), 渡邉 純(横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学), 鈴木 紳佑(横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学), 田中 邦哉(横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学), 秋山 浩利(横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学), 市川 靖史(横浜市立大附属病院・臨床腫瘍科), 國崎 主税(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 遠藤 格(横浜市立大大学院・消化器・腫瘍外科学)
抄録 【背景】血清p53抗体は様々な悪性腫瘍でその存在が認められている.大腸癌は血清p53抗体が高頻度に発現する癌の一つであるが,その有用性については明らかになっていない.【目的】大腸癌臨床における血清p53抗体測定の有用性について検討する.【方法】対象は2008年10月から2012年9月までの大腸癌の診断で手術をおこなった1152例(多発癌136例,重複癌143例を含む).術前にELISA法を用いて血清p53抗体を測定した.血清p53抗体の陽性は1.3ng/ml以上とした.患者の臨床病理学的因子と比較した.【結果】進行度はstage 0,I, II ,III, IV,がそれぞれ3.4%,26.8%,31.0%,27.9%,10.9%であった.血清p53抗体の陽性率は全体で28.6%であった.陽性率は,進行度(0, I v.s. II, III, IV),組織型(well, mod v.s. others),リンパ節転移(n0 v.s. n1, n2)で有意差を認めなかった.一方,多発癌症例においては血清p53抗体の陽性率が37.1% vs 27.2%(p=0.041)と有意に高く,重複癌症例においても陽性率が33.6% vs 28.2%(p=0.036)と有意に高かった.【結語】血清p53抗体は術前に多発癌もしくは重複癌併存の可能性を示唆するマーカーとして重要と思われた.
索引用語 大腸癌, p53抗体