セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-周術期管理

タイトル 外P-368:

大腸癌イレウスの術前減圧における金属ステントの有用性について

演者 笠島 浩行(市立函館病院・消化器病センター消化器外科)
共同演者 遠山 茂(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 鍵谷 卓司(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 鈴木 崇史(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 山名 大輔(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 大橋 大成(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 原 豊(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 砂原 正男(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 鈴木 伸作(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 倉内 宣明(市立函館病院・消化器病センター消化器外科), 木村 純(市立函館病院・消化器病センター消化器外科)
抄録 【はじめに】大腸癌イレウスに対する減圧処置後の根治手術において,従来は経肛門的イレウス管が用いられているが,平成24年より金属ステントが保険収載となった.当院での大腸癌イレウスに対する術前金属ステント留置後の腹腔鏡手術について報告する.【対象】2005年から2013年3月までに当院で手術した大腸癌は967例(男596例,371例.平均年齢70.7歳)のうち,術前処置をして待機手術を行った63例を対象とした.経鼻胃管・イレウス管群(NT群)20例,経肛門イレウス管(AT群)25例,金属ステント(MS群)18例について特に吻合の可否を中心に検討した.【結果】NT群は18例(90.0%)が右側結腸であり,右側結腸癌では前例切除+吻合がなされていた.AT群は横行結腸癌2例を除く23例(92.0%)が左側大腸癌であり14例(56.0%)が減圧効果不十分でストーマとなっていた.MS群では横行結腸癌2例を除く16例(88.9%)が左側大腸癌であり,全例腹腔鏡で根治手術が行われ,ステントが脱落した1例を除く15例(93.8%)が切除+吻合可能であった.術後合併症はNT群とAT群は縫合不全なしでMS群では1例(保存的に治癒)認めた.金属ステント群の手術所見の特徴として,ステント留置後の間もない時期に手術した症例では金属ステントの入っている部分の大腸壁を被覆する大網・小腸の癒着,後腹膜下筋膜側への炎症の波及を認めた.【考察】金属ステントは減圧に関して経肛門的イレウス管より有効で吻合可能率が高まる.一方,手術時期によっては炎症や癒着があり,予期せぬ合併症につながると思われ注意が必要である.今後金属ステント留置例のさらなる検討をしたいと考えている.
索引用語 大腸癌イレウス, 金属ステント