セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-手術治療 1 |
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タイトル | 外P-375:残胃癌手術症例の検討 |
演者 | 鈴木 知志(神戸大大学院・食道胃腸外科学) |
共同演者 | 音羽 泰則(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 瀧口 豪介(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 裏川 直樹(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 友野 絢子(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 高瀬 信尚(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 大坪 大(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 山本 将士(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 金光 聖哲(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 山下 公大(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 今西 達也(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 角 泰雄(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 中村 哲(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 田中 賢一(神戸大大学院・食道胃腸外科学), 掛地 吉弘(神戸大大学院・食道胃腸外科学) |
抄録 | 【目的】当科における残胃癌の背景因子,治療成績について検討した.【対象】1995年から2011年までに手術を施行した残胃癌症例のうち断端遺残例を除く31例を対象とし,前回病変別(良性疾患と悪性疾患),再建方法別(Billroth I法とBillroth II法)に分類し,患者背景,進行度,予後について比較検討した.【結果】前回病変別では良性12例,悪性19例.年齢中央値は良性73.5歳,悪性72歳で,前回手術からの介在期間(中央値)は良性40年(19-52),悪性10年(1-38)と良性が有意に長かった.腫瘍径が5cm以下は良性25%,悪性68%と有意に悪性で小さかった.病期は良性I:5例,II:3例,III:1例,IV:3例,悪性I:12例,II:3例,III:2例,IV:2例と良性では進行症例が多い傾向にあり,悪性では病期Iが多かった.5年生存率は良性31%,悪性72%で有意差はなかった.前回再建方法はBillroth I法11例,Billroth II法 18例,Roux-en Y法2例.腫瘍の局在はB-Iでは非吻合部が82%に対し,B-IIでは吻合部が78%を占めた.リンパ節転移はB-Iは55%とB-IIの17%に対して有意に多かった.病期ではB-IはI:4例,II:2例,III:3例,IV:2例,B-IIはI:12例,II:3例,III:0例,IV:3例でB-Iでは進行症例が多く,5年生存率はB-I:50%,B-II:57%で有意差はなかった.全体では5年生存率は病期 Iでは90%以上と不良ではないもののIII以上では3年生存はなかった.リンパ節転移は9例(29%)に認め,璧深達度は全例ss以深で5例が病期 IVと高度進行例が多く,2年生存例はなかった.長期生存例は4例でいずれもT1,N0症例であった.【結語】良性群では進行癌が多いために治療成績も悪い傾向にあり,悪性群では胃切除後の定期的なフォローアップが早期発見と予後に寄与していると考えられた.残胃癌の治療成績はStage Iでは良好であるが,リンパ節転移例やStage III以上では極めて不良であると考えられた. |
索引用語 | 残胃癌, 手術 |