セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-手術治療 2

タイトル 外P-377:

切除不能胃癌に対する緩和切除の意義

演者 酒徳 光明(市立砺波総合病院・外科)
共同演者 渡辺 和英(市立砺波総合病院・外科), 菅原 浩之(市立砺波総合病院・外科), 家接 健一(市立砺波総合病院・外科), 吉田 貢一(市立砺波総合病院・外科), 田畑 敏(市立砺波総合病院・外科), 曽我 真伍(市立砺波総合病院・外科), 新田 佳苗(市立砺波総合病院・外科), 金木 昌弘(市立砺波総合病院・外科), 清原 薫(市立砺波総合病院・外科)
抄録 切除不能胃癌に対する治療の第一選択は化学療法であるが,胃癌による出血・狭窄のある症例において化学療法は困難であり緩和手術が行われる.当院では安全に切除可能であれば緩和切除を行ってきたがその意義は明らかではない.緩和切除の意義を明らかにする目的で,同期間の切除不能胃癌に対する化学療法施行例と比較検討した.【対象と方法】2005年から2011年の切除不能胃癌を対象にした.出血・狭窄を伴い緩和切除を行った群(A群),バイパス手術を行った群(B群),出血・狭窄なく化学療法を行った群(C群),化学療法後にPR(SD)~CRが得られ手術を行った群(D群)にわけ,予後を検討した.【結果】A群28例(男/女:22/6,69.1±15.2歳),B群11例(男/女:4/7,77.5±10.3歳),C群34例(男/女:19/15,69.2±11歳),D群13例(男/女:10/3,67.8±8.2歳)であった.肉眼型(1,2型/3型/4型)はA群(6/13/9),B群(3/6/2),C群(13/11/10),D群(5/6/2)であった.非治癒因子(1因子/2因子以上)はA群(25/3),B群(6/5),C群(20/14),D群(9/4)でありA群で1因子が多かった.化学療法はTS-1(+CDDP)を中心に行った.A群の24例86%,B群の9例82%に術後化学療法が行われた.生存期間中央値(MST)はA群17.9ヶ月,B群6.9ヶ月,C群7.3ヶ月,D群28.5ヶ月であり,A群とD群はB群,C群に比較して良好であった.A群とD群のMSTには有意差はなく,C群とD群をあわせた群のMSTは9.8ヶ月でありA群と差は無かった.【結論】狭窄症例に対するTS-1使用の目的にバイパス手術が行われるが当院のバイパス手術の成績は不良であった.一方,緩和切除は化学療法後にPR(SD)~CRが得られ手術を行った群に匹敵する治療成績を示した.安全に切除可能であれば緩和切除は推奨されることが示唆された.
索引用語 切除不能胃癌, 緩和手術