セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 2

タイトル 外P-391:

当科における腹腔鏡補助下幽門側胃切除後再建法の現状と展望

演者 中村 公紀(和歌山県立医大・2外科)
共同演者 中森 幹人(和歌山県立医大・2外科), 尾島 敏康(和歌山県立医大・2外科), 勝田 将裕(和歌山県立医大・2外科), 飯田 武(和歌山県立医大・2外科), 早田 啓治(和歌山県立医大・2外科), 松村 修一(和歌山県立医大・2外科), 加藤 智也(和歌山県立医大・2外科), 川井 学(和歌山県立医大・2外科), 谷 眞至(和歌山県立医大・2外科), 瀧藤 克也(和歌山県立医大・2外科), 岩橋 誠(泉大津市立病院・外科・内視鏡外科), 山上 裕機(和歌山県立医大・2外科)
抄録 【はじめに】腹腔鏡下手術におけるBillroth-I法には種々のvariationがあり,手技の容易さと安全性が問題となる.当科では1993年より腹腔鏡補助下幽門側胃切除を導入し,Billroth-I法を標準再建法としている.2001年より小開腹下に残胃の後壁打ち抜きを行ってきた.当科の手術手技と成績を解析し,より有効な再建法を検討した.【手技】1.体腔内での郭清終了後,上腹部正中に約5cmの縦切開にて開腹.2.十二指腸を創外に牽引し,巾着縫合器を十二指腸切離端に掛け,直針付きナイロン糸にてかがり縫いを行い,自動吻合器29mmのアンビルシャフトを装着する.かがり縫いが不十分な部位には,3-0silkにてナイロン糸を十二指腸壁に確実に固定する.肥満患者などで直針付きナイロン糸の刺入スペースが小さい症例は,軟性の直針付きナイロン糸を使用し体腔内でかがり縫いを行う.3.胃を創外に挙上し,切離予定線の大弯側に2本の断端鉗子をかけ,その間を切離し,切離線小弯側を自動縫合器にて切離.4.切離線大弯側の小口から自動吻合器を挿入し,断端から約4cm以上の距離を置いた後壁やや大弯側寄りにセンターロッドを露出し,十二指腸側のアンビルシャフトに合体させ,残胃後壁と十二指腸の側端吻合を行う.5.挿入口から吻合部の出血の有無を確認し,出血を認めた際は縫合止血を行う.6.吻合部から3cm以上の距離をとり,挿入口を自動縫合器にて閉鎖し,切離縫合線は漿膜筋層縫合を行う.【成績】2001年から2012年12月までに本方法を施行した310例の合併症は,縫合不全は1例(0.32%),内視鏡的拡張術を要する吻合部狭搾は2例(0.65%),吻合部からの後出血1例(0.32%)であった.【結語】後壁打ち抜き法は,安全,かつ確実に遂行できる極めて有用な再建方法である.今後,さらに腹壁破壊の縮小,および整容性の向上を考慮し,完全体腔内吻合の導入も検討中である.
索引用語 胃癌, 再建法