セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 2

タイトル 外P-392:

腹腔鏡補助下胃切除術における幽門下リンパ節郭清手技

演者 岡 伸一(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科)
共同演者 高瀬 健一郎(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 原 聖佳(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 竹下 宏樹(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 佐藤 弘(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 櫻本 信一(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科)
抄録 【はじめに】
胃癌に対する腹腔鏡下手術における#6リンパ節郭清は術者ごとに様々な工夫を行い安全かつ確実な手技をめざしている.
われわれは胃・十二指腸の外側からアプローチし,層構造を意識しながら#6の郭清を行っているので,これを供覧する.
【手技】
術者と助手はそれぞれ患者の左側と右側に立つ.
胃後壁は多くの場合,膵・大網・小網などと癒着しており,そのままでは視野展開の際に障害になるばかりでなく,思わぬ出血を招くこともある.
われわれは#6リンパ節郭清に先立ちまず胃後壁を拳上し,癒着を胃壁に沿ってヘラ型電気メスを用いて剥離し,十二指腸背側で胃十二指腸動脈を露出する.
その後,末梢に剥離を進め,右胃大網動脈を確認し,#6頭側縁にあたる膵下縁を露出する.次に,横行結腸を尾側に牽引しながら横行結腸間膜を中結腸動脈・副右結腸静脈などを温存する層で横行結腸肝弯曲部に向け丁寧に剥離を進める.
その際,横行結腸間膜,膵頭部前面,大網の癒合を剥離することで,三角形のトンネルが作られ#6の外側縁を確認することができる.
次に,十二指腸側から超音波凝固切開装置を用いて,幽門下動静脈・前上膵十二指腸静脈を露出しながら#6の上縁を決定しながら,尾側に向かい剥離をしておく.
こうすることで外側縁の剥離層と上縁とは簡単につなげることが可能で膵損傷・血管損傷を防ぐことができる.
最後に,右胃大網静脈,右胃大網動脈,幽門下動静脈をクリップし切離することで,#6郭清が終了する.
【結語】
#6の外側,内側,尾側からそれぞれ層を確認しながらアプローチすることで幽門下リンパ節郭清を安全・確実に行うことができると考える.
索引用語 6番リンパ節郭清, 腹腔鏡