セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 3

タイトル 外P-394:

胃発生Gastrointestinal stromal tumorに対する単孔式腹腔鏡下胃局所切除術の経験

演者 斎藤 一幸(獨協医大越谷病院・外科)
共同演者 多賀谷 信美(獨協医大越谷病院・外科), 久保田 和(獨協医大越谷病院・外科), 牧野 奈々(獨協医大越谷病院・外科), 奥山 隆(獨協医大越谷病院・外科), 吉羽 秀麿(獨協医大越谷病院・外科), 菅又 嘉剛(獨協医大越谷病院・外科), 大矢 雅敏(獨協医大越谷病院・外科)
抄録 「はじめに」単孔式腹腔鏡下手術(Single-incision laparoscopic surgery: SILS)は腹壁破壊を最小限にし,整容面の向上を計る最先端技術である.胃から発生したGastrointestinal stromal tumor (GIST) はSILSのよい適応である.我々の教室で経験した胃発生のGISTに対する経臍的単孔式腹腔鏡下胃局所切除術の成績を報告する.「対象と方法」 2011年5月より2013年2月までの22か月間に,我々は本術式を胃GIST5例に施行した.5例の内訳では,性別は男性2例,女性 3例,年齢は39-83歳,平均65歳であった.腫瘍の存在部位では,胃体部前壁1例,胃体部後壁2例,胃穹隆部2例であった.全身麻酔下に臍部に約2.5cmの縦切開を置き,Wound protectにて創部を保護し,手袋に被覆した.その手袋に5mmポートを2本,12mmポートを1本留置し,手術を開始した.手術に際し,Hands-free retraction systemであるEndo-grab,屈曲鉗子であるYGT鉗子,屈曲鉗子を挿入するために必要なFlexible portであるMIT portを使用し,胃や大網の牽引や展開に利用した.腫瘍の存在部位によるが,腫瘍を含めた胃の全層を自動縫合器にて一括切除した.切除標本は回収袋に収納後,臍部創より体外に摘出した「結果」ポートの追加や標準的な腹腔鏡下手技および開腹手術への移行は認められなかった.手術時間は93-281分,平均177分で,術中推定出血量はいずれも50ml以下であった.術中偶発症および術後合併症は認められなかった.腫瘍が胃後壁に存在する場合,Endo-Grabにより胃壁を牽引することで,よりよい手術視野が得られた.YGT鉗子とMIT portの併用により,5mmの鉗子同士あるいは鉗子と腹腔鏡の間の衝突が緩和された.術後在院期間は4-12日,平均7.6日であり,全例,外来通院中であるが,再発は認められていない.「結語」胃より発生したGISTに対する経臍的単孔式腹腔鏡下胃局所切除術は,腹腔鏡下手術の経験豊富な外科医により,整容面の向上を伴い,安全に施行可能な方法である.
索引用語 胃GIST, 単孔式腹腔鏡下手術