セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 3

タイトル 外P-396:

胃体上部早期胃癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除間置空腸再建術の導入

演者 平松 良浩(浜松医大・2外科)
共同演者 菊池 寛利(浜松医大・2外科), 尾崎 裕介(浜松医大・2外科), 宮崎 真一郎(浜松医大・2外科), 高橋 善明(浜松医大・2外科DELIMITER浜松医大・救急部), 飯野 一郎太(浜松医大・2外科), 藤田 剛(浜松医大・2外科), 太田 学(浜松医大・2外科DELIMITER浜松医大・腫瘍センター), 神谷 欣志(浜松医大・2外科), 坂口 孝宣(浜松医大・2外科), 今野 弘之(浜松医大・2外科)
抄録 【はじめに】胃体上部に局在する早期胃癌で胃を1/2以上温存できるものは噴門側胃切除術のよい適応である.われわれはこれまで患者立脚アウトカムを用いたQOL評価を行い,開腹噴門側胃切除間置空腸再建術の有用性を報告してきた.近年,腹腔鏡下胃切除術の普及発展に伴い,より高難易度な術式も腹腔鏡手術で行われるようになってきている.今回,われわれは胃体上部早期胃癌症例に対する腹腔鏡下噴門側胃切除間置空腸再建術を導入したため症例報告する.【症例】64歳,女性.検診にてヘリコバクター・ピロリ菌陽性を指摘され,近医にて上部消化管内視鏡検査を受け,胃癌と診断された.外来精査にて,胃癌(U, Gre, 0-IIc, por, cT1b(SM1), N0, M0, StageIA)と診断し,腹腔鏡下噴門側胃切除・D1+郭清・空腸間置術を施行した.5ポートによる完全腹腔鏡下手術で施行し,食道空腸吻合は経口アンビル法,空腸残胃吻合はOverlap法,空腸空腸吻合はFEEA法で行い,空腸間膜間隙とPetersen’s defectを縫合閉鎖した.術後経過は良好で,第1病日より飲水,第3病日より食事を開始し,第9病日に退院された.通過障害,胃内容停滞,逆流症状などなく,術後透視検査でも通過は良好であり,残胃の運動も良好であった.【考察】腹腔鏡下噴門側胃切除術後の再建には簡便であることもあり,食道残胃吻合が用いられることが多いが重度の逆流性食道炎を併発することもあり,様々な工夫が報告されている.本術式は吻合操作にある程度の習熟を必要とするが一般的に行われている体腔内吻合操作の組合せにより施行することができ,安全に施行可能であるとともに,開腹手術での知見から患者QOLの改善が期待される.【まとめ】本術式は安全に導入可能であり,患者QOLの観点から有用である可能性がある.
索引用語 腹腔鏡下噴門側胃切除, 間置空腸