セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 3

タイトル 外P-397:

当科における腹腔鏡下胃全摘術症例の検討

演者 森山 秀樹(石川県立中央病院・消化器外科)
共同演者 稲木 紀幸(石川県立中央病院・消化器外科), 奥出 輝夫(石川県立中央病院・消化器外科), 林 沙貴(石川県立中央病院・消化器外科), 北村 祥貴(石川県立中央病院・消化器外科), 小竹 優範(石川県立中央病院・消化器外科), 黒川 勝(石川県立中央病院・消化器外科), 伴登 宏行(石川県立中央病院・消化器外科), 山田 哲司(石川県立中央病院・消化器外科)
抄録 【目的】当院では2008年から腹腔鏡下胃全摘術(以下LATG)を導入し症例を蓄積してきた.食道空腸吻合には主にover-lap法を用いてきた.その短期・中期成績を報告する.【対象】2008年から2013年1月までに当院でover-lap法によるLATGを施行した胃癌58例を対象とした.男性が42人,女性が16人,平均年齢は65.74歳であった.臨床病期はIAが39例,IBが9例,IIAが4例,IIBが2例,IIIAが3例,IIICが1例であった.ESD後の追加切除は4例,残胃癌は4例であった.食道空腸吻合は完全鏡視下のover-lap法で行った.合併切除臓器は胆嚢が4例,脾臓が2例,膵尾部が1例,肝部分切除が1例,直腸が2例(直腸癌に対して)であった.細径鉗子を用いた手術は2例,reduce port surgeryは2例であった.【結果】手術時間の中央値は352.5分,出血量の中央値は20gであった.1例でlinear staplerの不具合を生じ,追加切除したのちにcircular staplerによる再吻合を施行した.縫合不全は3例(5.2%)に認め,うち2例(3.4%)は保存的に軽快し(gradeII),1例(1.7%)はドレナージを必要とした(gradeIIIb).周術期死亡は認めなかった.術後呼吸器合併症(gradeIVa)を1例に認めた.短期~中期的に吻合部狭窄は認めなかった.初期の間膜未閉鎖症例において,術後12ヵ月に内ヘルニア(gradeIIIb)を認めたが閉鎖処置後は認めていなかった.合併症は高齢者において多い傾向にあった. 【結語】当科におけるover-lap法を用いたLATGの成績は容認できると思われた.適応を慎重に選択すれば安全に導入可能であることが示唆された.今後も症例を蓄積して検討を重ねたい.
索引用語 腹腔鏡下胃全摘, over-lap法