セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 3

タイトル 外P-398:

腹腔鏡下巾着縫合とサーキュラーステイプラーによる食道空腸吻合法

演者 高山 祐一(大垣市民病院・外科)
共同演者 磯谷 正敏(大垣市民病院・外科), 原田 徹(大垣市民病院・外科), 金岡 祐次(大垣市民病院・外科), 亀井 桂太郎(大垣市民病院・外科), 前田 敦行(大垣市民病院・外科), 大塚 新平(大垣市民病院・外科), 森 治樹(大垣市民病院・外科), 米川 佳彦(大垣市民病院・外科)
抄録 【はじめに】腹腔鏡手術の普及に伴い,再建方法は開腹術とは異なり腹腔鏡独自の自動縫合器を用いた吻合が報告されている.しかし当院では開腹術と同様に食道空腸吻合は自動吻合器を用いて,そのほかの吻合は手縫い吻合にて施行し,自動縫合器使用にかかるコストの削減を意識して行っている.今回当院で行っている手術手技を供覧し,成績を報告する.【手術手技】ポートは通常の5ポートに加え,臍の左側に吸引管用のポートを挿入しスコピストがこれを操作する6ポート法を基本としている.liver retractorにて肝臓を挙上し視野を確保している.全ての血管処理,郭清終了後,食道周囲を十分剥離し食道胃接合部に脱着式腸鉗子をかける.腸鉗子のすぐ口側より,LCSにて食道を約2/3周切離する.食道を全周切離しないことで,助手により胃を牽引し,食道断端の適度な緊張と良好な視野が得られる.3-0バイクリルにて食道切離端より外-内,内-外と全周に巾着縫合をかける.アンビル先端には2cmの糸をかけ,アンビル挿入の際の牽引や方向転換などに利用する.食道断端にアンビルを挿入し巾着縫合のバイクリルを結紮し,残った食道を切離する.小開腹創より吻合器を挿入し鏡視下に食道空腸吻合を施行,挙上空腸断端を自動縫合器で閉鎖する.胃全摘(Roux-Y再建),噴門側胃切除(小腸間置再建)のその他の吻合はすべて小開腹創より手縫いにて行う.【結果】2011年4月から2013年2月までに43例にこの方法を施行した.平均年齢65.4歳,男性36例,女性7例.胃全摘34例,噴門側胃切除9例.平均手術時間3時間30分,出血量32ml,術後在院日数14日.Clavien-Dindo GradeIII以上の術後合併症は2 例(4.7 %):吻合部狭窄2例で内視鏡下拡張術を施行した.縫合不全は認めなかった.【まとめ】本法は開腹術と同様な方法での再建であり,コストの削減,手術時間の短縮も計られ,安全で有用な方法と思われた.
索引用語 腹腔鏡下胃全摘, 食道空腸吻合