セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 4

タイトル 外P-400:

胃癌肥満患者に対する腹腔鏡下胃切除術の短期成績

演者 櫻井 克宣(大阪市立大・腫瘍外科)
共同演者 六車 一哉(大阪市立大・腫瘍外科), 田中 浩明(大阪市立大・腫瘍外科), 豊川 貴弘(大阪市立大・腫瘍外科), 久保 尚士(大阪市立大・腫瘍外科), 李 友浩(大阪市立大・腫瘍外科), 渋谷 雅常(大阪市立大・腫瘍外科), 山添 定明(大阪市立大・腫瘍外科), 木村 健二郎(大阪市立大・腫瘍外科), 永原 央(大阪市立大・腫瘍外科), 天野 良亮(大阪市立大・腫瘍外科), 八代 正和(大阪市立大・腫瘍外科), 前田 清(大阪市立大・腫瘍外科), 大平 雅一(大阪市立大・腫瘍外科), 平川 弘聖(大阪市立大・腫瘍外科)
抄録 【はじめに】早期胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)はもはや一般的となっているが,患者の体型によって手術の操作に難渋する場合があり,特に肥満症例では視野展開が困難で思わぬ出血を来たしやすい.今回,肥満症例におけるLADGの術中術後合併症について検討した.【方法】対象は2009年1月から2012年12月にLADGを施行した149例.BMI≧25を肥満群(34例),BMI<25を非肥満群(115例)とした.【結果】肥満群,非肥満群とも開腹移行例はなかった.平均手術時間は肥満群で280分と非肥満群の259分より長い傾向にあったが有意差はなかった.平均出血量も肥満群が126mlと非肥満群の75mlよりも多かった(p<0.05).術後在院日数は肥満群が18.9日で非肥満群の15.1日よりも長い傾向であったが有意差はなかった.平均郭清リンパ節個数は肥満群の35.0個と非肥満群の33.9個で差はなかった.術中合併症は肥満群ではなかったが,非肥満群で小腸穿孔1例,脾動脈損傷1例を認めた.術後合併症は肥満群が32.3%(11例:創SSI2例,膵液ろう;3例,誤嚥性肺炎2例,縫合不全1例,腹腔内膿瘍1例,残胃炎1例,尿路感染症1例)で,非肥満群が20%(23例:膵液ろう;5例,吻合部出血3例,縫合不全2例,誤嚥性肺炎2例,創SSI2例,腹腔内膿瘍2例 吻合部狭窄2例,術後出血1例,ダンピング1例,腸炎1例,嘔吐1例,腹直筋内血腫1例)であった.【考察】肥満症例は非肥満症例と比べて出血量は多かったが,手術時間,術後在院日数に有意差はなく,郭清リンパ節個数も遜色なかった.肥満症例の術後合併症は非肥満症例と比較して多い傾向があるが,重篤な合併症は認めず,肥満症例に対してもLADGは安全に施行可能と思われた.
索引用語 胃癌, 腹腔鏡手術