セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-鏡視下手術 4

タイトル 外P-402:

食道胃接合部癌に対する経食道裂孔腹腔鏡下手術について

演者 伊藤 鉄夫(杉田玄白記念公立小浜病院・外科)
共同演者 菅野 元喜(杉田玄白記念公立小浜病院・外科), 西川 徹(杉田玄白記念公立小浜病院・外科), 鎌田 泰之(杉田玄白記念公立小浜病院・外科), 佐藤 博文(杉田玄白記念公立小浜病院・外科), 三原 聡仁(杉田玄白記念公立小浜病院・外科), 服部 泰章(杉田玄白記念公立小浜病院・外科)
抄録 当科では食道胃接合部癌,特にSiewert type IIに対しては経裂孔的下部食道切除を伴う腹腔鏡下手術を積極的に施行している.本邦で行われた食道浸潤胃癌に対する開胸開腹 vs. 開腹アプローチのランダム化比較試験(JCOG9502)では開腹群に対する左開胸開腹群の優越性は否定されており,また,胃,食道手術における開腹手術に対する腹腔鏡下手術の低侵襲性について多くの報告がある.よって食道胃接合部癌に対する経食道裂孔腹腔鏡下手術については今後適応が拡大していくと予想される.しかし,Siewert type IIAではtype IIBと比しても縦隔リンパ節転移の頻度が多く予後も不良であると報告されており,縦隔郭清の意義については今後も検討が必要である.当科では早期癌に対しては噴門側胃切除,#20を含めたD1+郭清を行い,進行癌に対しては胃全摘,#20,#110郭清を含めたD2郭清を行う事が多い.SS以深の胃癌に対する予防的大動脈周囲リンパ節郭清効果についてはJCOG9501で否定されているため,#16リンパ節郭清は明らかな腫大リンパ節を認める症例以外には行っていない.再建に関しては,早期癌ではcircler staplerを用いた食道胃管吻合を行っているが,後縦隔内での再建になり視野が不良となりやすいため,その際には計画的に経裂孔的に左開胸し視野を確保している.進行癌ではlinear staplerを用いた食道空腸over-lap吻合を行っているが,挿入孔の閉鎖は心嚢背側での縫合操作となるため慎重な操作が要求される.我々は前述の術式をこれまで早期癌2例,進行癌5例で行っており良好な成績を得ているため,手術画像を交えて発表する.
索引用語 食道胃接合部癌, 経裂孔的腹腔鏡下手術