セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-症例 1

タイトル 外P-409:

未分化腺癌を伴った混合型胃内分泌細胞癌の1例

演者 落合 実(和歌山労災病院・外科)
共同演者 水本 有紀(和歌山労災病院・外科), 那須 亨(和歌山労災病院・外科), 寺澤 宏(和歌山労災病院・外科), 山本 基(和歌山労災病院・外科), 小林 康人(和歌山労災病院・外科)
抄録 胃内分泌細胞癌は,胃がん全体の0.06から0.2%を占め悪性度の高い腫瘍とされる.今回,胃壁の深部では大細胞型内分泌細胞癌と小細胞癌が混在しかつ粘膜内は中分化型腺癌と印環細胞癌が増殖している非常にまれな症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.【症例】74歳男性.糖尿病で通院中高CEA血症を呈したため,上部内視鏡を施行.幽門側大湾よりに25mm大の2型腫瘍を認め,生検病理はtub2で胃癌と術前診断された.遠隔転移は認めず.幽門側胃切除B-I法再建 D2リンパ節廓清を施行.病理結果ではpT3(SS),ly2,v1,pN2 (6(+)/34), Stage IIIAであった.免疫染色で, ChromograninnA(弱陽性から陽性), synaptophysin(弱陽性から陽性), CD56(±), NSE(弱陽性から陽性), Ki-67(40%)で大細胞型内分泌細胞癌がやや優位の混合型胃癌であった.リンパ節転移巣は小細胞癌が占めていた.現在胃の内分泌細胞癌に対するadjuvant chemotherapyは確立されていない.本症例の場合再発すれば小細胞癌による転移が主となると考えられるため,再発後は小細胞癌に準じた治療をまず行う必要がある.再発の危険性が高く今後厳重なフォローが必要である.
索引用語 胃内分泌細胞癌, 大細胞型内分泌細胞癌