セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-症例 4

タイトル 外P-426:

術後4年で胆嚢転移にて再発した進行胃癌(stage4)の1例

演者 大津 将路(川村病院・外科)
共同演者 佐々木 邦明(川村病院・外科), 入村 雄也(川村病院・外科), 牛込 琢郎(川村病院・外科), 川村 武(川村病院・外科), 川村 統勇(川村病院・外科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医大・外科)
抄録 症例は60歳代女性.心窩部痛・嘔吐を主訴に来院,精査した結果幽門狭窄を伴う進行胃癌の診断に至った.cStage3A~Bの診断のもと幽門側胃切除術D2郭清を施行する運びとなる.術中所見で横行結腸中央部漿膜の白色結節を認めるもその他に播種結節は認めず,横行結腸部分切除を併施した.術後病理所見はpor2, pT3(SE),pN2,横行結腸に漿膜から筋層に及ぶ転移巣を認め,胃癌腹膜播種に伴う横行結腸浸潤と診断した.術後2年間のTS-1内服,以後UFT内服を継続した.術後3年3ヶ月頃よりCEAの軽度上昇,術後4年目の腹部CT検査にて胆嚢壁の全周性肥厚が出現した.その後の諸検査では他部位の再発所見等を認めず,胆嚢病変が炎症性変化か腫瘍性変化か確定診断に至らず胆嚢摘出の方針とした.術中所見は,明らかな播種性病変は認めず,胆嚢周囲は頚部を中心に浸潤・癒着高度であったため胆嚢摘出は困難と判断し,胆嚢壁を生検するのみとした.生検結果は低分化腺癌の診断で,胃癌胆嚢転移に矛盾しない所見であった.現在,化学療法を継続している.胃癌・横行結腸播種病巣を切除後4年間無再発であったが,胆嚢転移にて再発した極めて稀な症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
索引用語 進行胃癌, 胆嚢転移