セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-症例 5 |
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タイトル | 外P-428:術前診断が困難であった胃Glomus腫瘍の1例 |
演者 | 石川 英樹(埼玉県立がんセンター・消化器外科) |
共同演者 | 山田 達也(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 中村 聡(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 小倉 俊郎(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 菊地 功(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 野田 和雅(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 横山 康之(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 塙 秀暁(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 岡 大嗣(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 江原 一尚(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 福田 俊(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 八岡 利昌(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 西村 洋治(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 網倉 克己(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 川島 吉之(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 坂本 裕彦(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 田中 洋一(埼玉県立がんセンター・消化器外科), 大庭 華子(埼玉県立がんセンター・病理診断科), 黒住 昌史(埼玉県立がんセンター・病理診断科) |
抄録 | 症例は59歳女性.検診の上部消化管造影検査で胃幽門前庭部大弯側に胃粘膜下腫瘍を指摘され,胃GISTが疑われ紹介となった.上部消化管内視鏡で同部位に表面平滑な中心陥凹を伴った粘膜下腫瘍を認め,超音波内視鏡では40×35mm大の境界明瞭,内部エコー不均一な,血流に富む腫瘤であった.腹部造影CT・MRIでは胃前庭部大弯に造影効果のある壁外性に発育する腫瘤を認め,肝臓に転移を疑う腫瘤を認めた.PETでは胃粘膜下腫瘍に一致してまだらな限局性集積がみられた.超音波内視鏡下穿刺吸引生検では検体量が少なく確定診断には至らなかったが,免疫染色でCD34(-),c-kit(-),desmin(-),S-100(-),AE1/AE3(ごく一部+),CAM5.2(-),chromograninA(ごく一部+),synaptophysin(+),CD56(-),NSE(-)の所見でneuroendocrine tumorが最も疑われた.3か月の期間で増大傾向はわずかで肝転移を伴っていても切除の適応ありと判断し,開腹下に幽門側胃切除術,D2リンパ節郭清,胆嚢摘出術,肝部分切除術を行った.肝臓の腫瘤は代表的な2病変を摘出し,術中迅速診断でhemangiomaの所見であったため,それ以上の肝切除を中止した.病理組織検査では腫瘍は固有筋層を主体に漿膜下にかけて増殖し,比較的均一な円形核と細胞境界明瞭な円形~多角形の細胞がシート状に増殖し豊富な血管を伴っていた.免疫染色ではvimentin(+),α-SMA(+),laminin(+),typeIVcollagen(+),AE1/AE3(-),c-kit(-),CD34(-),S-100(-),chromograninA(-),synaptophysin(-)であり胃Glomus腫瘍と診断した.術後経過良好で術後14日目に軽快退院し,術後3か月経過しているが無再発生存中である. |
索引用語 | 胃glomus腫瘍, 胃粘膜下腫瘍 |