セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-症例 5

タイトル 外P-429:

30cm大の胃GISTに対する術前補助治療の経験

演者 尾関 豊(木沢記念病院・外科)
共同演者 今井 直基(木沢記念病院・外科), 伊藤 由裕(木沢記念病院・外科), 坂下 文夫(木沢記念病院・外科), 山本 淳史(木沢記念病院・外科), 池庄司 浩臣(木沢記念病院・外科), 堀田 亮輔(木沢記念病院・外科), 佐治 重豊(木沢記念病院・外科)
抄録 【目的】30cm大の巨大な胃GISTに対して術前にimatinibの補助治療を行った症例を経験したので報告する. 【症例】55歳の女性.腹部膨満を主訴に受診し,腹部CTで頭尾径30cmの巨大な腫瘤が描出され,胃EUS-FNAでGISTと病理診断された.腫瘤は胃窮隆部から大弯に広く接しており,脾門部に広く密着し,肝外側区域および膵体尾部,横行結腸を圧排,左横隔膜を広範囲に圧排して浸潤が疑われた.PETを含め,遠隔転移はなかったが,切除のためには胃全摘,脾摘,肝外側区域切除,膵体尾部切除,左横隔膜合併切除が必要と推測された. 【方法】臨床試験に習って,半年間の術前補助療法としてimatinib 400mgの内服治療を行った.約1か月で症状は軽快し,軽度の顔面浮腫が出現したが,血液毒性はなかった.腫瘤径は30x20cmからimatinib内服1か月後に23x13cm,6か月後に18x12cm,8か月後17x12cmと縮小し,3か月後のPETで集積は消失した.しかし,8か月後のCT時に結節状の造影効果が再出現し,再燃が疑われた.患者の希望で9か月後に手術した. 【結果】左横隔膜,肝,膵,横行結腸とは癒着や浸潤はなく,胃部分切除と脾摘で腫瘤の切除が可能で,第8病日に退院した.1か月後から術後補助化学療法imatinibを再開し,術後5か月の現在,無再発通院中である. 【結語】巨大な胃GISTは直腸GISTと同様に術前の補助化学療法により,切除術式が縮小される可能性があると考えられた.
索引用語 胃GIST, 術前治療