セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-症例 5

タイトル 外P-431:

胃全摘パウチ形成 Roux-enY再建術合併症の検討―パウチ拡張の3例

演者 相田 貞継(昭和大豊洲病院・外科)
共同演者 小城原 傑(昭和大豊洲病院・外科), 初鹿野 誠也(昭和大豊洲病院・外科), 磯崎 正典(昭和大豊洲病院・外科), 佃 玄紀(昭和大豊洲病院・外科), 松尾 海(昭和大豊洲病院・外科), 保母 貴宏(昭和大豊洲病院・外科), 野垣 航二(昭和大豊洲病院・外科), 有馬 秀英(昭和大豊洲病院・外科), 横山 登(昭和大豊洲病院・外科), 熊谷 一秀(昭和大豊洲病院・外科)
抄録 胃切除に伴う晩期合併症を軽減する目的でさまざまな再建法の工夫がなされ,多くの施設でそれに対する臨床的評価が報告されている.当施設では当初胃全摘後再建は40cm程の空腸間置法を標準術式としてきたが,1回食事摂取量,食道逆流症状などで不満足な例を少なからず経験した.1997年以降は,パウチ空腸嚢)形成Roux-enY再建を胃全摘術の標準再建法として,130例経験しほぼ満足の得られる術後QOLを得て今日に至っている.今回は術後パウチの異常拡張を認めた3例について報告する.症例1 胃全摘脾摘.術後1年の造影検査で空腸嚢の著明な拡張を認めた.その後年に1度程の拡張あり,経過から癒着性の亜イレウスによるものと考えられた.症例2 胃全摘脾摘.単純X-Pで空腸嚢異常拡張を認めた.食事の不規則と過食が原因と考えられ,食事指導により軽快した.症例3 胃全摘術後3年でイレウスとなり再手術,空腸嚢の拡張は導管の腹膜再発によるものであった.パウチ拡張症例の頻度はごく少ないが,左横隔膜下に落ち込む症例や,導管部分の小腸の屈曲により生ずるとする報告もみられる.当施設では,パウチ下端を結腸間膜に固定し,比較的良好な成績を得ており,これからも術後のQOLのために機能再建術を追及していきたいと考えている.
索引用語 胃全摘術, QOL