セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-症例 5

タイトル 外P-432:

手術および肝動注を含む化学療法にて5年生存を得たAFP産生胃癌・同時性肝転移の1例

演者 小練 研司(福井大・1外科)
共同演者 藤本 大祐(福井大・1外科), 澤井 利次(福井大・1外科), 森川 充洋(福井大・1外科), 村上 真(福井大・1外科), 廣野 靖夫(福井大・1外科), 五井 孝憲(福井大・1外科), 飯田 敦(福井大・1外科), 片山 寛次(福井大・1外科), 山口 明夫(福井大・1外科)
抄録 【はじめに】AFP産生胃癌(以下AFPGC)は高頻度に肝転移,リンパ節転移をきたす予後不良な疾患である.今回,同時性肝転移を伴うAFPGCに対しmultimodal therapyを行い60か月の長期予後を得た1例を経験したため報告する. 【症例】60歳代男性.上腹部痛にて近医受診.胃内視鏡で前庭部後壁に2型腫瘍を認め生検でAFP産生胃癌と診断され当科紹介受診.血清AFPは 160,000 ng/mLと著明に上昇し造影CTで肝左葉に14cmの腫瘤を認めた.肝左葉切除と幽門側切除を予定したが,術中に他の肝転移を認め胃切と肝腫瘍生検のみを施行した.肝腫瘍の組織像は胃病変と類似しAFPGCと確定診断した.TS-1+CDDP-HIAを4コース後,左葉病変は53.6%まで縮小し右葉病変は消失した.AFPは2910 ng/mLまで低下後,再上昇が認められたため肝左葉切除を施行した.その後,肺転移に対して肺部分切除,放射線療法,リンパ節再発・肝再発に対しCPT-11,DOC,PTX等による治療を施行したが,初回手術から54か月後に肝転移巣の増大,縦隔リンパ節腫大による呼吸苦が出現した.自己輸入にてSorafenib 800mg/day内服を開始したところ,内服開始2か月後,AFPは100,000から59,198 ng/mLまで低下し,CTで肝転移巣のvascularityの著名な低下,縦隔リンパ節の縮小(-16.2%)を認めた.内服開始から4か月間のstable diseaseが得られたが,以後は病状が進行し初回手術から60か月で死亡した. 【考察】AFPGCは通常型胃癌より化学療法への感受性が高いことが示唆されているが,肝転移を伴う症例では約10例の5年生存例の報告を認めるのみである.AFPGC,肝細胞癌ではともにhepatocyte growth factor(HGF)/c-Met経路が活性化していることが報告されており,SorafenibがHGF/c-Met下流のJAK/STAT3経路,Raf/MEK/ERK経路などを抑制することにより抗腫瘍効果を発揮した可能性が示唆された. 【結語】5年生存を得た同時性肝転移を伴うAFPGC症例を経験したため報告した.
索引用語 AFP産生胃癌, 化学療法