セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-診断

タイトル 外P-433:

5-ALAを用いた蛍光腹腔鏡は化学療法後の残存播種検出に有効か?

演者 岸 健太郎(大阪府立成人病センター・消化器外科)
共同演者 藤原 義之(大阪府立成人病センター・消化器外科), 矢野 雅彦(大阪府立成人病センター・消化器外科), 本告 正明(大阪府立成人病センター・消化器外科), 宮代 勲(大阪府立成人病センター・消化器外科), 後藤 邦仁(大阪府立成人病センター・消化器外科), 真貝 竜史(大阪府立成人病センター・消化器外科), 高橋 秀典(大阪府立成人病センター・消化器外科), 丸橋 繁(大阪府立成人病センター・消化器外科), 能浦 真吾(大阪府立成人病センター・消化器外科), 大植 雅之(大阪府立成人病センター・消化器外科), 大東 弘明(大阪府立成人病センター・消化器外科), 石川 治(大阪府立成人病センター・消化器外科)
抄録 <背景>5-アミノレヴリン酸(5-ALA)が投与されると,代謝産物protoporphyrin IXが癌に蓄積し励起光にて赤色に発光する.我々はこのALAを用いた光線力学的診断法(ALA-PDD)を胃癌の術前腹腔鏡検査に導入し,通常光では観察できない微小腹膜転移結節を検出できることを報告してきた.本研究ではALA-PDDでのみ検出できた腹膜転移症例の特徴を検討し,5-ALAを用いた蛍光腹腔鏡の有効対象について考察する.<方法>対象は2011年以降,1)大型3型または4型胃癌,2)cT4a以深,3)化学療法奏効例に対し,手術適応の診断目的にて腹腔鏡検査を行った進行胃癌患者53例.検査3-4時間前にALA 1g/bodyを経口投与した.KARL STORZ社D-light systemを用いて通常光観察(WL)を行なった後ALA-PDDを施行し,WLまたはALA-PDDで見つかった結節を生検した.ALA蛍光腹腔鏡観察で新たに播種が診断できた(pd-P群)の臨床病理学的因子を検討した.<結果>通常光観察(WL)で播種が診断された症例は20例(P1群).ALA蛍光腹腔鏡観察で新たに播種が診断できた症例が7例あった(pd-P群).26例は播種を認めなかった(P0群).化学療法あり群でP0/Pd-P/P1群はそれぞれ9/4/1例であり,無治療群では17/3/19例であった. (p=0.0698)であった.<まとめ>ALA蛍光腹腔鏡検査は,化学療法後の残存播種の検出に有用な傾向が見られた.
索引用語 5-ALA, 胃癌腹膜播種