セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-診断

タイトル 外P-434:

免疫染色でKIT陽性のためGISTとの鑑別に難渋した胃神経鞘腫の1例

演者 細村 直弘(山梨大・1外科)
共同演者 河口 賀彦(山梨大・1外科), 芦沢 直樹(山梨大・1外科), 赤池 英憲(山梨大・1外科), 土屋 雅人(山梨大・1外科), 藤井 秀樹(山梨大・1外科), 望月 邦夫(山梨大大学院・人体病理学), 八尾 隆史(順天堂大・人体病理病態学)
抄録 【はじめに】我々はKIT陽性のためGISTとの鑑別に難渋した胃神経鞘腫の1例を経験したので報告する.また,胃神経鞘腫の特徴で,今回の診断にも寄与したlymphoid cuff(腫瘍周囲にリンパ球が帯状に集簇)の有無を当院のGIST症例で検討した.【症例】60歳,男性.検診で穹窿部後壁に40mm大のdelleを伴う亜有茎性粘膜下腫瘍を指摘された.FNAでは紡錘形の細胞を認めたがGISTの診断には至らなかった.CTで胃小彎側と脾下曲にリンパ節の腫大を認めたため悪性腫瘍も疑い胃全摘,脾摘,D2郭清を施行した.病理では紡錘形が主体の多彩な形態を示す核と,弱好酸性の細胞質を有する線維状細胞が交錯する間葉系腫瘍を認めた.また,リンパ濾胞を伴う明瞭なlymphoid cuffを認めた.KIT(+),CD34(-),S100(+),SMA(-)よりGISTを考えたが,c-kit exon 9,11,13,17, PDGFRA exon 12,18いずれも変異を認めないため,他施設の病理専門医に相談させて頂いた.病理組織像が神経鞘腫に特徴的,S100がびまん性に陽性,検索できた範囲ではあるが遺伝子異常を認めない点などからKITは偽陽性と考えられ神経鞘腫の診断に至った.【目的】GISTの診断は免疫染色により簡潔明瞭であるが,免疫染色は偽陽性となる可能性があるためHE染色による診断はいまだに重要である.そのためGISTでの lymphoid cuffの有無について検討した.【対象】2004年10月から2013年1月までに当科で手術した胃GIST28例,胃神経鞘腫2例(本症例含む),胃平滑筋腫2例.【結果】lymphoid cuffは神経鞘腫2例,GIST1例に認めた.GIST7例にはLymphoid cuffではないが,帯状のリンパ球集簇を一部に認めた.【考察】過去の報告と同様に今回の検討でもlymphoid cuffを伴うGISTを認めた.しかし,殆どのGISTでは認められない所見であり鑑別診断において役に立つと思われた.胃間葉系腫瘍の診断では以前から指摘されているHE染色における特徴的な所見も重要である.
索引用語 GIST, 神経鞘腫