セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-診断

タイトル 外P-436:

当科における残胃癌の検討

演者 椛島 章(九州中央病院・外科)
共同演者 工藤 健介(九州中央病院・外科), 橋本 直隆(九州中央病院・外科), 北川 大(九州中央病院・外科), 中村 俊彦(九州中央病院・外科), 長谷川 博文(九州中央病院・外科), 北村 昌之(九州中央病院・外科)
抄録 【目的】残胃癌の臨床病理学的検討および再発・予後の検討【方法】2006年~2012年に当院において手術を施行した残胃癌16例【結果】平均年齢は71.2歳(45-82歳).男性:9例,女性:7例.初回手術は全例幽門側胃切除術が施行された.初回疾患は,悪性疾患:9例,良性疾患:7例.初回手術からの平均期間は19.7年(3-49年).有症状で診断された症例が7例,無症状が9例.全例に胃全摘術が施行された.リンパ節の平均郭清個数は7.75個(0-26個).8例に合併切除(胆嚢4例,脾臓3例,横行結腸2例,膵尾部1例)が施行された.肉眼型は,0-IIa:2例,0-IIb:1例,0-IIc:3例,0-IIa+IIc:2例,3型:4例,4型:3例.組織型は,pap:1例,tub1:6例,por1:1例,por2:6例,sig:2例.進達度は,m:7例,sm:2例,mp:1例,ss:2例,se:3例,si:1例.リンパ節転移を2例に認め,いずれもn1であった.腹膜転移(p)を2例に認めたが,いずれも少数であった.Stageは,IA:9例,IB:1例,IIA:1例,IIB:1例,IIIA:2例,IV:2例.術後合併症を5例に認めたが,術関連死はなかった.術後補助化学療法は5例にS-1服用が施行された.再発を5例に認めた.再発形式は,腹膜播種再発:4例,骨再発:1例.手術より再発までの平均期間は6.8カ月(2-14カ月).再発症例の平均郭清個数は4.4個(0-12個)で,非再発症例の9.5個に比べ少数であった.リンパ節転移陽性例と腹膜転移陽性例は全例再発を認めた.また,ss以深症例では6例中5例に再発を認めた.再発後の平均余命は6.4カ月(1-15カ月).【考察】当院では残胃癌は60%以上でStage I期で診断され,予後が期待される.しかし,リンパ節郭清個数の少ない症例,固有筋層を超えて癌が浸潤している症例,リンパ節転移陽性例は早期の再発の危険性が高いと考えられた.加えて,再発発症後の予後も不良である.残胃癌治療では,早期の状態で癌を発見することがより重要であると考えられた.
索引用語 残胃癌, 胃癌