セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-診断 |
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タイトル | 外P-437:日本と英国における胃癌EGFR遺伝子変異の頻度と臨床的病理学的特徴の比較 |
演者 | 青山 徹(神奈川県立がんセンター・消化器外科DELIMITER三浦市立病院DELIMITER横浜市立大・外科治療学) |
共同演者 | 吉川 貴己(神奈川県立がんセンター・消化器外科DELIMITER横浜市立大・外科治療学), 藤川 寛人(神奈川県立がんセンター・消化器外科DELIMITER横浜市立大・外科治療学), 林 勉(横浜市立大・外科治療学), 山田 貴充(横浜市立大・外科治療学), 長谷川 慎一(横浜市立大・外科治療学), 土田 知史(横浜市立大・外科治療学), 和田 博雄(三浦市立病院), 木谷 勇一(三浦市立病院), 湯川 寛夫(横浜市立大・外科治療学), 大島 貴(横浜市立大・外科治療学), 利野 靖(横浜市立大・外科治療学), 小澤 幸弘(三浦市立病院), 益田 宗孝(横浜市立大・外科治療学) |
抄録 | 背景:EGFRを標的とした薬剤開発はこれまで主に大腸癌を中心として行われ,KRAS遺伝子変異がEGFR標的薬の良いバイオマーカーとして確立している.胃癌においてはKRAS遺伝子変異の変異率5~10%程度と報告されてきたが,症例数の少ない検討が多く十分な検討はされていない.今回,日本および英国の合計500例以上の切除胃癌標本を用いてKRAS遺伝子を測定し日本と英国の症例での変異頻度とその臨床病理学的特徴を比較検討した.対象と方法:日本の症例は2002年から2010年までの当施設で胃癌の診断で根治胃切除を施行し,遺伝子変異の評価可能であった230例を対象とした.また,英国の症例は1970年から2004年までの医育医療機関で胃癌の診断で根治胃切除を施行し遺伝子変異の評価可能であった278例を対象とした.HEスライドで胃癌細胞が30%以上含まれる腫瘍中心部の領域をマーキングした後パラフィンブロックからLaser micro-dissectionにより同部位を採取した.腫瘍および正常胃粘膜組織を脱パラフィン後にDNAを抽出,KRAS codon12/13/61の変異を検出した.結果:日本の症例は,男性162例/女性68例,観察期間中央値4.9年であった.KRAS変異率は,codon 12:6例(4.3%)/ codon 13:4例(1.7%)で,codon 61の変異を認めなかった.一方で,英国の症例は,男性164例/女性112例,観察期間中央値1.9年であった.KRAS変異率は,codon 12:12例(4.3%)/ codon 13:2例(0.7%)/codon 61:1例(0.4%)の変異を認めた.日本および英国ともに遺伝子変異群では,DNAミスマッチ修復遺伝子の変異頻度が有意に高かった.結語:切除胃癌におけるKRAS変異頻度は日本の症例では4.3%(10/230),英国の症例でも5.3%(15/278)と差はみられなかった.胃癌におけるKRAS遺伝子変異の頻度や特徴に人種間での差はない可能性が示唆された. |
索引用語 | 胃癌, KRAS遺伝子 |