セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-手術治療 1

タイトル 外P-439:

機械的閉塞性イレウスにおける保存治療からイレウス解除手術移行時期の検討

演者 山本 隆嗣(石切生喜病院・外科)
共同演者 青田 尚哲(石切生喜病院・外科), 宮崎 徹(石切生喜病院・外科), 倉島 夕紀子(石切生喜病院・外科), 渡辺 千絵(石切生喜病院・外科), 大畑 和則(石切生喜病院・外科), 田中 肖吾(石切生喜病院・外科), 上西 崇弘(石切生喜病院・外科), 大野 耕一(石切生喜病院・外科)
抄録 【目的】機械的閉塞性イレウスは,様々な要因で生じ,保存的に観察するか手術へ移行するか苦慮することが多い.今回我々は当院における機械的閉塞性イレウス症例を検討し,保存的治療からイレウス解除手術へ移行する至適タイミングを検討した.【対象と方法】最近5年間の癌に因るものを除いた機械的閉塞性イレウス患者と絞扼に陥っていない腸の部分的なヘルニア嵌頓患者を併せた94例を検討対象とした.手術に移行した群(手術群)20例,絶食やイレウス管で改善した群(保存群)74例に分け,入院から症状が消失し水分摂取が可能となるまでの日数(改善日数),入院から食事開始までの日(食事開始日数),入院期間を検討した.また手術群では手術からの改善日までの日数と手術から食事開始日の日数も検討した.【結果】保存群では,改善日数の平均は3.4,食事開始日数は4.8,入院期間は11.8日であった.手術群ではそれぞれ,19.2,22.1,38日であった.なお,手術群の入院から手術日までの平均日数は15日であった.イレウス管を挿入した症例のみで見ると,保存群では改善日数は6.1,食事開始日数は7.3,入院期間13.5日,手術群では23.1,26.4,35.6日で,何れも手術群は保存群よりも日数が長かった(p<0.01).しかし,手術群では手術日から改善日まで平均3.8日,手術日から食事開始日まで7.1日,イレウス管挿入手術群でも手術日から改善日までは3.9日,食事開始日まで8日であり,保存群の改善日数,食事開始日数と比較すると有意差はなかった.また,年齢・性別・原因疾患・開腹/腹腔鏡下手術別で,それぞれの群間に改善日数,食事開始日数,入院期間に有意な差はなかった.【まとめ】結果から類推するとイレウス管等の保存治療を行って経過観察し,4,5日以内に改善が無ければ開腹ないし腹腔鏡下イレウス解除手術に移行するのが良いと思われた.
索引用語 機械的閉塞性イレウス, イレウス解除術