セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)小腸-手術治療 1 |
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タイトル | 外P-442:絞扼性イレウスに対し術中血流評価にて小腸切除回避できた1例 |
演者 | 松岡 唯(大津赤十字病院・外科) |
共同演者 | 伊藤 孝(大津赤十字病院・外科), 中村 直人(大津赤十字病院・外科), 松林 潤(大津赤十字病院・外科), 余語 覚匡(大津赤十字病院・外科), 鬼頭 祥悟(大津赤十字病院・外科), 花本 浩一(大津赤十字病院・外科), 浦 克明(大津赤十字病院・外科), 平良 薫(大津赤十字病院・外科), 大江 秀明(大津赤十字病院・外科), 吉川 明(大津赤十字病院・外科), 石上 俊一(大津赤十字病院・外科), 土井 隆一郎(大津赤十字病院・外科) |
抄録 | 絞扼性イレウスは緊急手術対象者も多く,腸管血流低下により,腸切除となる例も少なくない.今回ICGを使用したリアルタイムでの術中血流評価例を経験したので報告する. 【症例】 76歳女性,主訴は右下腹部痛・嘔吐であった.来院時腹部CTで遠位回腸の拡張・腹水・closed loopの形成を認めた.小腸軸捻転による絞扼性イレウスを疑い,絞扼解除目的にて緊急手術を施行した.手術所見は,下腹部正中切開にて開腹したところ,腹腔内に著名な癒着は認めなかったが,小腸が一部暗赤色に変色しており,また肝表面・ダグラス窩に血性腹水の貯留を認めた.小腸は腹腔内にて捻転しループを形成していた.捻転・絞扼を解除目的に小腸を腹腔外に取り出した.回盲部より口側に180cmの位置で小腸の変色を確認した.変色範囲は90cm口側まで続いていた.また,小腸と腹壁との癒着しているバンドを確認したため,電気メスで切離し小腸の絞扼解除・整腸を行った.腹腔外にて小腸を観察,絞扼解除後から蠕動運動・色調の改善を認めたが,暗赤色で蠕動運動も微弱であった.腸管切除が必要であるかどうかを判断するため,小腸の血流観察目的にて末梢ルートよりICGを注入した.赤外線モニターにて小腸壁がほぼ均一に描出され,正常腸管と虚血腸管のICGの取り込みに差はなく,腸管血流は改善していると考えられた.ICG検査にて血流の取り込みが認められ,また色調・蠕動運動が改善傾向であった点から腸管切除は施行しなかった. 【結語】 絞扼性イレウスに対して腸管切除の必要性を判断するためにICGを用いた.腸管血流をリアルタイムで評価し腸管切除を回避することができた. |
索引用語 | イレウス, ICG |