セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-手術治療 1

タイトル 外P-443:

当院における高齢者癒着性イレウス症例の検討

演者 伊古田 正憲(順天堂大静岡病院・外科)
共同演者 水口 このみ(順天堂大静岡病院・外科), 平田 史子(順天堂大静岡病院・外科), 松平 慎一(順天堂大静岡病院・外科), 吉田 悠子(順天堂大静岡病院・外科), 丹羽 浩一郎(順天堂大静岡病院・外科), 杉本 起一(順天堂大静岡病院・外科), 伊藤 智彰(順天堂大静岡病院・外科), 櫛田 知志(順天堂大静岡病院・外科), 折田 創(順天堂大静岡病院・外科), 多田 隆士(順天堂大静岡病院・外科), 櫻田 睦(順天堂大静岡病院・外科), 前川 博(順天堂大静岡病院・外科), 森脇 稔(順天堂大静岡病院・外科), 佐藤 浩一(順天堂大静岡病院・外科)
抄録 【対象】当科にて2004年4月から2012年12月までに加療した80歳以上の高齢者癒着性イレウス症例94例を対象とし,手術を施行した22例(手術群),保存的に加療した72例(非手術群)に分け,臨床事項を検討した.年齢は80歳~94歳(84.5±3.35歳).男性46例,女性48例.平均在院日数は19.4日であった.また,高齢者癒着性イレウス手術症例の安全性を検討するため,当科にて2004年4月から2012年12月までに手術を施行した80歳未満の癒着性イレウス症例65例(若年手術群)と比較した.【結果】手術群は年齢80歳~91歳(85.05±3.5歳),男性10例,女性12例,平均在院日数は28.7±5.1日,平均術後在院期間は19.6±4.5日.2例(0.09%)に肺炎を合併し,Clavien分類GradeIII以上のmajor complicationは2例(0.09%)し,死亡例は1例(0.05%)であった.非手術群は年齢80歳~94(84.4±0.5歳),男性36例,女性36例,平均在院日数は16.6±1.6日.7例(0.09%)に肺炎を合併し,死亡例は4例(0.06%)であった.両群間で肺炎の合併や死亡率に有意差を認めなかった.続いて,手術群と若年手術群で比較検討を行った.若年手術群は年齢21~78歳(60.6±1.6歳),男性38例,女性27例,平均在院日数は34.2±3.9日,平均術後在院期間は23.6±3.6日.6例(0.08%)に肺炎を合併し,Clavien分類major complicationは8例(0.12%)し,死亡例は2例(0.03%)であった.両群間で死亡率,肺炎の合併,major complication,在院日数,術後在院期間に有意差を認めなかった.【考察】高齢者に対する緊急手術は合併症の頻度が高く,特に呼吸器合併症が多いと報告されている.今回の検討では,高齢者癒着性イレウス症例に関しては,若年者と比して肺炎の合併や死亡率に有意差を認めなかった.また,非手術群でも手術群と同等に死亡例を認めており,保存的加療が奏効しない場合,速やかに手術を検討するべきであると思われた.
索引用語 イレウス, 高齢者