セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-手術治療 2

タイトル 外P-446:

腸管損傷に対する器械吻合の使用経験

演者 黒川 剛史(兵庫県災害医療センター)
共同演者 中山 伸一(兵庫県災害医療センター)
抄録 目的:待期手術に於いて器械吻合は手縫い吻合と同様の安全性が示されている.しかし,外傷による腸管損傷に対し器械吻合を行うことに対しては意見が分かれる.我々の施設では吻合可能な腸管損傷に対し積極的に器械吻合を行っている.今回器械吻合を行った症例を検討した.方法:2008年4月から2013年3月までに25例に対し器械吻合を行った.損傷形態は鋭的損傷が5例,鈍的損傷が20例であった.男性20名,女性5名,年齢は52.7±21.4歳であった.ISSは24.48±15.93,腹部AISは3.2±0.7,PSは0.975±0.23であった.17例のうち1期的吻合を行ったのは16例,初回はDCSを行い循環動態が安定した後に吻合を行ったのは9例であった.吻合部位は小腸-小腸吻合が14例,小腸-結腸吻合が8例,十二指腸-小腸吻合が1例,結腸-結腸吻合が2例であった.結果:周術期死亡は2例であった.死亡した2例は1例がMOF,1例がARDSによる死亡でありいずれも吻合部の問題に関連する死亡ではなかった.1例において吻合部狭窄をきたし入院期間の延長を余儀なくされた.また7例においてはStaple lineが2列のDevice(Linear cutter)を用いたが術中止血に難渋した症例を経験したため3列に変更し以後問題なく吻合を行えている.術後縫合不全や腹腔内膿瘍を形成した症例は認めなかった.考察:腸管損傷に対し器械吻合をおこない良好な結果を得られた.若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 腸管損傷, 器械吻合