セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-手術治療 2

タイトル 外P-447:

閉鎖孔ヘルニア14例の検討

演者 小倉 由起子(下都賀総合病院・外科)
共同演者 山崎 一馬(下都賀総合病院・外科), 近藤 悟(下都賀総合病院・外科), 児玉 多曜(下都賀総合病院・外科), 松原 久裕(千葉大附属病院・食道胃腸外科)
抄録 【背景】 閉鎖孔ヘルニアは恥骨筋と内外閉鎖筋との間にある閉鎖孔をヘルニア門として腸管が閉鎖管内に嵌入する内ヘルニアである.高齢女性に多く比較的稀な疾患であり全ヘルニア症例の0.073%,全腸閉塞症例の0.4%と報告されている. 閉鎖孔ヘルニアは従来,原因不明の腸閉塞として開腹時に発見されることが多く,予後も診断の遅れから満足すべき成績ではなかった.しかし近年の画像検査の進歩により発症早期に診断される症例が増加し手術成績も向上しつつある.今回はその手術成績等について検討した.【対象および方法】対象は2000年から2012年までに手術を施行した14症例である.背景因子,症状,術前診断,発症から手術までの期間,手術方法,転帰を検討した.【結果】 全例女性,平均年齢は82.8歳で平均Body mass indexは18.2kg/m2であった.主訴は腸閉塞症状が11例と多く,Howship-Romberg signは5例にのみ認められた.腹部CT検査により12例で術前診断が可能であった.発症から手術までの期間は平均2.9日であった.全例に緊急開腹手術が行われ,7例で小腸切除が必要であった.ヘルニア門の閉鎖は単純縫合閉鎖が6例,人工膜材使用が6例と多かった.術後経過では12例が治癒した.【結語】閉鎖孔ヘルニアは高齢の女性に多く,診断には腹部CT検査が有用であった.予後をさらに改善するためには早期診断・早期治療が重要と考えられた.
索引用語 閉鎖孔ヘルニア, 腸閉塞