セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-その他

タイトル 外P-451:

消化管神経内分泌腫瘍症例の臨床病理学的検討

演者 堤 敬文(国立九州医療センター・外科)
共同演者 楠元 英次(国立九州医療センター・外科), 松本 載恭(国立九州医療センター・外科), 山口 将平(国立九州医療センター・外科), 遠藤 和也(国立九州医療センター・外科), 桃崎 征也(国立九州医療センター・病理部門), 池尻 公二(国立九州医療センター・外科)
抄録 【目的】消化管神経内分泌腫瘍はカルチノイドの診断名で診療されていたが,WHO2010分類で細胞分裂能を指標とした新分類により取り扱われるようになっている.神経内分泌腫瘍は消化管上皮性腫瘍においてその発生頻度が非常に低いため,臨床病理学的特徴は確立していない.今回われわれは,当院において診療した消化管神経内分泌腫瘍の症例を対象として,その臨床病理学的特徴を明らかにする事により消化管神経内分泌腫瘍に対する治療戦略を検討した.
【方法】1996年11月より2013年2月までの期間,当院で診療した消化管神経内分泌腫瘍症例44例を対象とした.性,年齢,組織診断,リンパ節転移の有無,消化管神経内分泌腫瘍に対する治療法などの臨床病理学的項目について検討した.
【成績】男女比は23:21,平均年齢は60±13歳であった.発生臓器は胃が7例(16%),十二指腸が5例(11%),空腸が1例(2%),回腸が1例(2%),直腸が30例(68%)であった.組織型はCarcinoid(NET G1)が40例,NET G2が3例,Endocrine carcinomaが1例であった.治療法としては内視鏡的粘膜切除(EMR)が23例と最も多く,その他経肛門的腫瘍切除6例,経肛門的マイクロサージャリー(TEM)4例と局所切除が33例と多数を占めていた.NET G2は十二指腸に1例と小腸の2例に認め,リンパ節郭清を含めた腸管切除が行われており,3症例全例にリンパ節転移を認めた.
【結論】消化管神経内分泌腫瘍はその多くは直腸カルチノイドであり,EMRを主体とした局所切除が行われていた.小腸に認めた場合,リンパ節転移を伴う事が多く,リンパ節郭清を含めた腸管切除が必要となる.
索引用語 神経内分泌腫瘍, カルチノイド