セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
小腸-その他
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タイトル |
外P-453:小腸グラフトにおける拒絶反応時の遺伝子発現形式と治療抵抗性を示唆する分子生物学的特徴について
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演者 |
浅岡 忠史(国立大阪医療センター・外科) |
共同演者 |
西田 聖剛(マイアミ大・移植外科), A. Tzakis(マイアミ大・移植外科), P. Ruiz(マイアミ大・移植外科) |
抄録 |
【背景】小腸移植は短腸症候群などの腸管機能不全の症例に適応とされてきたが,移植後の拒絶反応の制御は依然課題とされ,免疫応答の指標となるバイオマーカーの開発が期待される.今回,我々は拒絶反応時における小腸グラフト組織の遺伝子発現解析を行い,分子生物学的特徴を明らかにするとともに,治療抵抗性を示唆する指標について検討したので報告する.【対象・方法】小腸移植あるいは多臓器移植を施行された患者30例を対象として,移植後に採取した小腸粘膜の生検組織を用いて遺伝子発現解析を行った.内訳は拒絶(AR)群/非拒絶(NR)群がそれぞれ17/13例で,TaqMan Low Density Array (TLDA)を用いたReal-time PCR法で免疫・炎症・アポトーシスに関連する252遺伝子の発現を中心に比較検討を行った.【結果】両群の比較では252遺伝子のうち,69遺伝子おいて有意差を認め,うち62遺伝子はAR群で高発現を示し,7遺伝子は低発現を示した.高発現を示した遺伝子群ではT-bet ,IL1A,CTLA4などTh1やTH17,Tregなどに関連する遺伝子群の発現上昇を認めた.また,AR群における遺伝子発現形式には治療抵抗性を示唆するheterogeneityがあり,グラフト機能不全となった治療抵抗群(6例)に特徴的な遺伝子を同定した.【結語】小腸グラフト組織における遺伝子発現解析は拒絶反応に特徴的な分子生物学的指標の同定に有効であった. |
索引用語 |
遺伝子, 拒絶反応 |