セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-その他

タイトル 外P-454:

原発性小腸癌の臨床病理学的検討

演者 大西 敏雄(金沢医大・一般・消化器外科)
共同演者 上田 順彦(金沢医大・一般・消化器外科), 森岡 絵美(金沢医大・一般・消化器外科), 甲斐田 大資(金沢医大・一般・消化器外科), 大野 由夏子(金沢医大・一般・消化器外科), 富田 泰斗(金沢医大・一般・消化器外科), 野口 美樹(金沢医大・一般・消化器外科), 舟木 洋(金沢医大・一般・消化器外科), 藤田 秀人(金沢医大・一般・消化器外科), 木南 伸一(金沢医大・一般・消化器外科), 表 和彦(金沢医大・一般・消化器外科), 中野 泰治(金沢医大・一般・消化器外科), 小坂 健夫(金沢医大・一般・消化器外科)
抄録 【目的】原発性小腸は閉塞を来すまで特異的な臨床症状が乏しく診断時には進行した症例が多く予後不良である.今回小腸癌の予後改善を目的に当科で経験した7例を対象として臨床病理学的に検討した.【対象と方法】過去26年9ヵ月の間に当科で手術を施行した原発性空腸癌5例,回腸癌2例を対象として臨床病理所見を検討した.【結果】1臨床所見と診断方法:a,年齢;性別:平均年齢は63.6歳(52~82歳).男女比は5/2.b,臨床症状:腹痛4例,貧血1例,特になし2例.c,病悩期間:3~13ヵ月.d,術前診断:腹部CT,PET-CTにて術前に小腸癌と診断されたのは7例中2例で他は腸閉塞と診断され手術を施行した.2手術所見:原発巣切除例が6例で根治手術が3例であった.3例は多臓器転移と腹膜播種にて姑息手術,1例はバイパス手術となった.3病理所見:組織学的には,腺癌6例,腺扁平上皮癌1例であった.深達度はmp 1例,SS 1例,SE 4例,SI 1例.切除可能であった6例中5例にリンパ節転移を認め,2例は,傍腸管リンパ節には転移を認めず,中間リンパ節に跳躍転移を認めた.4術後補助療法,予後:根治切除を行われた3例中1例に肝転移再発を認めたためlow dose FP療法を行ったが,術後45ヵ月で永眠された.非切除症例で術後TS-1を施行した症例では32ヵ月生存できた.腹膜播種のため非切除症例となりDOC+TS-1を行った症例ではPRが得られ現在5ヵ月生存中である.その他の症例は化学療法を行わず13~60ヵ月で永眠された.【結語】小腸癌は早期での診断が難しく術前診断できたのは28.5%であった.リンパ節転移を認めた症例が71.4%であり,2例に跳躍転移を認めた.根治手術症例は42%にとどまったたが,非治癒切除例でも化学療法が比較的奏効した症例もある.
索引用語 小腸癌, 化学療法