セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-虚血性疾患

タイトル 外P-457:

下肢閉塞性動脈硬化症に合併した虚血性腸疾患の治療

演者 北田 正博(旭川医大・循環呼吸腫瘍病態外科)
共同演者 松田 佳也(旭川医大・循環呼吸腫瘍病態外科), 林 諭史(旭川医大・循環呼吸腫瘍病態外科), 石橋 佳(旭川医大・循環呼吸腫瘍病態外科)
抄録 【目的】 下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は,高齢者が多く,脳梗塞や心筋梗塞,など全身の血管硬化性疾患や,糖尿病,腎機能障害などの合併症を有する腔リスク例が少なくない.このような症例において,腸管虚血を起因とした消化器疾患に対する治療を行う場合,手術の困難性の他,全身状態の低下や抗凝固療法中という悪条件も加わり,難渋する事も少なくない.当科における症例を検討した.【対象】2006~2012年までのASO術後の消化器外科手術が32例あり,そのうち,腸管虚血が原因と考えられた緊急手術例は8例であった.男性5例,女性3例,平均年齢70.6歳であった.【結果】1.疾患:消化管穿孔4例,腸管壊死1例,腸閉塞3例であった.3例で大動脈解離,腹部大動脈瘤の治療既往があった.2.手術:5例で腸切除,人工肛門造設,2例で人工肛門造設,1例は十二指腸穿孔であり,穿孔部縫合閉鎖,大網充填を施行した.人工肛門は7例中2例で閉鎖術が可能であった.3.転帰:広範囲腸壊死の1例,十二指腸穿孔の1例は敗血症等の全身合併症により永眠された.他の6例は,消化管合併症無く経過した.【結論】ASO症例は,全身血管硬化性疾患であり,腹痛等の症状出現時,腸管虚血性疾患の可能性も念頭に置くべきである.また,合併疾患が多い,抗凝固療法中などの点で術後管理には注意が必要である.
索引用語 虚血性腸疾患, 下肢閉塞性動脈硬化症