セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-症例 1

タイトル 外P-462:

CTにて術前診断しえたPress through package誤飲による小腸穿孔の1例

演者 山本 昌明(ベルランド総合病院・外科)
共同演者 奥村 哲(ベルランド総合病院・外科), 徳田 彩(ベルランド総合病院・外科), 豊田 翔(ベルランド総合病院・外科), 水村 直人(ベルランド総合病院・外科), 今川 敦夫(ベルランド総合病院・外科), 園尾 広志(ベルランド総合病院・外科), 山崎 圭一(ベルランド総合病院・外科), 小川 雅生(ベルランド総合病院・外科), 出村 公一(ベルランド総合病院・外科), 大場 一輝(ベルランド総合病院・外科), 川崎 誠康(ベルランド総合病院・外科), 堀井 勝彦(ベルランド総合病院・外科), 亀山 雅男(ベルランド総合病院・外科)
抄録 症例は75歳,女性.主訴は腹痛.既往に認知症や精神疾患なし.3日前に誤ってPress through package(以下,PTPとする)を誤飲するも,特に症状を認めなかったことから経過観察されていた.誤飲から3日後より突然腹痛が出現し,次第に増悪してきたことから,腹痛出現から約1時間後に当院へ救急搬送となった.搬送時,苦悶様顔貌,vital signs は安定していたもの,腹部は軽度膨満でやや硬く,下腹部を中心に中等度圧痛および反跳痛を呈していた.WBC9100/μl,CRP4.05mg/dlと軽度の炎症所見の上昇および動脈血液ガスではpH7.393,pCO 239mmHg,HCO3 23.0mmol/l,BE-1.4mmol/lと軽度の代謝性アシドーシスを認めた.腹部造影CTを施行したところ,下腹部から左側腹部にかけてFree airおよび骨盤腔内に腹水貯留を認め,下腹部の小腸内にPTPと思われるhigh densityを示す異物を認めた.PTP誤飲による小腸穿孔性腹膜炎と診断し,同日緊急手術とした.開腹すると,腸液の混在した黄緑色の腹水を認め,treitz靱帯から約120cm肛門側の小腸に7mm程度の穿孔部位を認め,PTPが一部露出していた.穿孔部位の小腸を切除した後,機能的端々吻合を施行した.術後は良好に経過し,術後第11病日に退院となった.PTPは現在最も広く普及している薬剤包装容器であり,それに伴いPTP誤飲による消化管異物の報告が増加している.PTP誤飲の中でも,小腸穿孔まで呈する例は稀であるため,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 Press through package, 小腸穿孔