セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-症例 2

タイトル 外P-468:

横行結腸まで陥入し,腸重積をきたした小腸GISTの1例

演者 加藤 孝章(荏原病院・外科)
共同演者 竹下 信啓(荏原病院・外科), 野口 岳春(荏原病院・外科), 石井 雅之(荏原病院・外科), 吉利 賢治(荏原病院・外科), 高崎 淳(荏原病院・外科), 土井 愛美(荏原病院・外科), 太田 岳洋(荏原病院・外科), 江口 礼紀(荏原病院・外科)
抄録 症例は63歳,女性.2012年9月上旬より心窩部痛,嘔吐,嘔気が出現し,9月下旬に当院受診した.CTで上行結腸内腔に回盲部の陥入,腸管の拡張を認め,先進部に3cm大の類円形の腫瘤を認めた.腸重積,腸閉塞の診断にて入院となった.イレウス管を挿入し,減圧した.注腸検査では横行結腸右側に3cm大の透亮像を認め,辺縁は平滑であった.下部消化管内視鏡検査では横行結腸右側に球状の隆起性病変を認め,反転した腸管が20cmにわたり,確認された.同年10月,小腸腫瘍による腸重積,腸閉塞の診断にて手術施行した.術中所見では横行結腸に腫瘤を認め,回腸末端から口側30cm程にある小腸腫瘤が横行結腸にまで入り込み腸重積となっていた.用手的に腫瘤を口側にもどしたが完全に解除はできなかった.また,腸間膜に5-10mm大のリンパ節の腫大を認めた.腫瘤,腫大したリンパ節を含め,小腸部分切除術を施行した.切除標本肉眼所見では小腸内腔へ向けてポリープ状に発育し,表面は滑らかで中心に浅い潰瘍を伴う3cm大の腫瘤を認めた.病理組織学的所見では固有筋層から粘膜下層に紡錘形細胞が束状に増殖していた.c-kitが部分的に陽性であり,小腸GISTと診断した.腸重積をきたした小腸GISTは検索したがぎり本邦報告例は15例と稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 小腸腫瘍, 小腸GIST