セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

小腸-症例 2

タイトル 外P-471:

腹膜刺激症状で発症した,内腔に出血を伴った小腸GISTの1例

演者 山岸 俊介(日本大・消化器外科)
共同演者 青木 優(日本大・消化器外科), 山崎 慎太郎(日本大・消化器外科), 緑川 泰(日本大・消化器外科), 北條 暁久(日本大・消化器外科), 黒川 友晴(日本大・消化器外科), 岩間 敦子(日本大・消化器外科), 山崎 洋子(日本大・消化器外科), 河合 隆治(日本大・消化器外科), 蛯澤 記代子(日本大・消化器外科), 桧垣 時夫(日本大・消化器外科), 中山 壽之(日本大・消化器外科), 東風 貢(日本大・消化器外科), 高山 忠利(日本大・消化器外科)
抄録 【背景】腹膜刺激症状で発症したGISTの報告は稀である.今回我々は腹膜刺激症状で発症した内腔に出血を伴ったGISTの1例を経験したので報告する.【症例】58歳,男性 既往歴:特記すべき事項なし.現病歴:2012年8月上旬,中国から日本へ渡航中に突然下腹部痛が出現した.増悪傾向を認めるため当科を受診した.理学所見は左下腹部に反跳痛を認めた.血液検査では白血球19300, CRP1.56 と炎症反応を認めHgb7.9, Hct25.4と貧血を認めた.腹部造影CTでは左下腹部に約10cmの嚢胞状腫瘤を認めた.術前診断が困難であったが,腹膜刺激症状が強いため緊急開腹術の適応と判断し,同日試験開腹術施行した.開腹所見はトライツ靭帯から約80cmの小腸の腸間膜側に鷲卵大の緊満する腫瘤を認めた.小腸部分切除にて腫瘍を摘出した.合併症はなく術後第6病日に軽快退院した.病理診断は,小腸の漿膜側に約11cm大の腫瘍を認め,腫瘍を切開すると内腔より100ml程度の古い血液を認めた.免疫染色ではビメンチン陽性,c-kit陽性,デスミン陰性,S100タンパク陰性,CD34陰性であり小腸GISTの診断となった.腫瘍径が10cm以上認め,核分裂像は5以下/50HPFであるため,高リスク群と判断した.我々の調べた限りでは医中誌で「GIST」,「腹膜炎」で検索したところ3例の報告があり,どれも穿孔性腹膜炎を併発したGISTであり,我々のような出血性GISTでの発症は報告がない. 【結語】出血性GISTは腹膜刺激症状で発症することがあるため,診断に注意が必要である.
索引用語 小腸GIST, 腹膜炎