共同演者 |
岡田 一幸(市立吹田市民病院・外科), 和田 佑馬(市立吹田市民病院・外科), 加藤 亮(市立吹田市民病院・外科), 牧野 俊一郎(市立吹田市民病院・外科), 西垣 貴彦(市立吹田市民病院・外科), 大和田 善之(市立吹田市民病院・外科), 柳沢 哲(市立吹田市民病院・外科), 岡村 修(市立吹田市民病院・外科), 福地 成晃(市立吹田市民病院・外科), 村田 幸平(市立吹田市民病院・外科), 横内 秀起(市立吹田市民病院・外科), 衣田 誠克(市立吹田市民病院・外科), 玉井 正光(市立吹田市民病院・臨床病理部) |
抄録 |
【症例】67才,男性.【現病歴】2010年9月,小腸間膜腫瘍に対して腫瘍摘出術を施行した.病理組織は腫瘍径15cm大のGIST,c-KIT強陽性,CD34(-),S100(-),α-SMA弱陽性,Ki67約50%,分裂像30/10HPFで,GIST診療ガイドラインのhigh risk群であった.本人の希望にて補助治療なしで経過観察していたが,2012年3月に巨大な多発肝転移と腹膜播種病変を伴うGIST再発を認め,イマチニブ治療を開始した.経過は良好であったが,2012年12月にPDとなり,2013年1月よりスーテントの二次治療を開始した.スーテントの初回量はイマチニブ導入時に腫瘍崩壊症候群と思われる重篤な副作用を生じたため25mg/日とした.スーテント内服後2週間後に腹痛と嘔吐が出現したため緊急入院となった.【緊急入院後の経過】緊急CT検査では多発肝転移巣の増大と腫瘍内出血および血性腹水を認めた.血液検査ではWBC 6240/mm3, RBC 281 x 104/mm3, Hb 8.9g/dl, Ht 27.8%, Plt 22.2 x 104/mm3, T-Bil 3.0mg/dl, AST 193IU/L, ALT 61IU/L, BUN 16mg/dl, Crn 0.74mg/dl, UA 4.9mg/dl, LDH 1764IU/L, ALP 462IU/L, TP 6.6g/dl, ALB 3.6g/dl, Na 138mEq/L, K 3.9mEq/L, Cl 101mEq/L, CRP 8.68mg/dl, PT 74%, FDP 124.5μg/ml, Ddimer 105.0μg/mlであった.2日後にはHb 7.2g/dl, Ht 22.7%, AST 536IU/L, ALT 293IU/L, BUN 32mg/dl, Crn 1.46mg/dl, LDH 10000IU/L, ALP 473IU/L, CRP 20.38mg/dlと貧血と肝・腎機能の悪化を認めた.貧血に対して輸血を施行し,また肝転移巣の悪化に対しては十分な説明の後イマチニブの内服を再開した.内服後1週間で全身症状の改善と肝腎機能の正常化を認めた.また腹部CT検査で腹腔内出血の消失を認めた.入院後17日目に退院し,現在外来にてイマチニブ400mg/日を継続している. |