セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)小腸-症例 3 |
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タイトル | 外P-477:穿孔をきたした小腸原発CD56陽性T細胞リンパ腫の1例 |
演者 | 崎村 千恵(住友病院・外科) |
共同演者 | 河本 真大(住友病院・外科), 亀谷 直樹(住友病院・外科), 呉 幸枝(住友病院・外科), 加藤 幸裕(住友病院・外科), 山片 重人(住友病院・外科), 中澤 一憲(住友病院・外科), 阿古 英次(住友病院・外科), 西村 重彦(住友病院・外科), 山田 靖哉(住友病院・外科), 妙中 直之(住友病院・外科) |
抄録 | 症例は59歳の男性,貧血の精査目的にて当施設を紹介受診した.CT検査にて腹腔内に7cm大の腫瘤を認め,腫瘤は小腸と連続し内腔に液体とガスを認め悪性リンパ腫が疑われた.待機手術にて試験開腹術を予定していたが,手術予定日の6日前に突然の腹痛を自覚し緊急入院となった.入院時に施行したMRI検査にて,腫瘤内ガス像の減少と腹水増加を認め,穿孔を疑い緊急手術を施行した.手術所見では,回盲弁から約40cm口側の回腸に約7cm大の腫瘤を認め周囲に膿性腹水を認めた.腫瘍部の回腸は完全に分断され腸液の流出を認めた.また腸間膜に腫大リンパ節を散見したため,腫瘍部分を含めた小腸と腫大リンパ節を含めるように腸間膜を切開し腫瘤から10cmずつ離して小腸を切離,標本を摘出,吻合を行った.病理組織診断結果では,腫瘍は中型から大型細胞からなり,粘膜固有層から漿膜面にびまん性に及んでいた.大型細胞はmonomorphicな増殖パターンを呈し,CD20陰性,CD3陽性であり,CD4陽性細胞とCD8陽性細胞が混在,CD56陽性細胞が多数認められ,T細胞リンパ腫と診断された.また摘出リンパ節にも大型細胞の増殖を認めリンパ腫のinvolvementと診断した.Dawsonらの消化管原発悪性リンパ腫の診断基準1.表在リンパ節腫大がない.2.末梢血液像で白血球数・血液像に異常がない.3.縦隔リンパ節腫大がない 4.消化管病変が主体であり転移は所属リンパ節に限局している.5.肝臓・脾臓に腫瘍を認めない.を全て満たしており,小腸原発悪性リンパ腫と診断した.小腸原発悪性リンパ腫は非常に稀な疾患であり,さらにCD56陽性例は穿孔率が高く予後不良との報告がある.穿孔にて緊急手術を行った小腸原発CD56陽性T細胞リンパ腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 悪性リンパ腫, 穿孔 |