セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 1

タイトル 外P-480:

左鎖骨下静脈穿刺による前胸部皮下埋め込み型中心静脈ポートの有用性と合併症の検討

演者 倉地 清隆(浜松医大・2外科)
共同演者 中村 光一(浜松医大・2外科), 原田 岳(浜松医大・2外科), 原 竜平(浜松医大・2外科), 間 浩之(浜松医大・2外科), 石松 久人(浜松医大・2外科), 阪田 麻祐(浜松医大・2外科), 今野 弘之(浜松医大・2外科)
抄録 【背景】皮下埋め込み型中心静脈ポート(CVポート)は,従来の在宅栄養管理,終末期医療時の輸液管理に加えて,近年は化学療法を目的とした利用頻度が急増し,長期間の使用症例も増加している.そのため設置部位に関してもQOLを考慮し検討する必要がある.右鎖骨下静脈経路は最も一般的であるが,日常生活では右手の使用頻度が多いため,違和感やシートベルトと接触し不快感を生ずるなど右側前胸部位設置に対する患者側の不満も多い.【目的】当科では患者QOLを考慮して左鎖骨下静脈穿刺による前胸部皮下埋め込み式CVポートを第一選択とし有用性と合併症について検討した.【方法および結果】2007年1月から2013年2月,120症例に対し院内マニュアルに基づき左鎖骨下静脈経由CVポートを設置.対象疾患は,がん化学療法目的が99例(大腸癌79例,他癌20例)在宅および終末期輸液管理目的21例.使用カテーテルはP-U セルサイトポート103例,Bardポート17例.男女比は67:53,平均63.8歳 CVポートに起因する合併症は12例(10%)で,カテーテル破断(ピンチオフ)1例,気胸1例,フィブリンシースまたは血栓形成閉塞か7例(5.8%),感染3例(2.5%:創感染2例)であった. 胸管損傷・動脈損傷・ポート遊走はなかった.鎖骨下静脈閉塞などによる挿入不可変更例は2/120(1.7%)であった.【まとめ】癌進行時の栄養管理や全身状態維持目的のみならず,化学療法の適応拡大や長期化によりCVポートの役割が重要視されている.以前の患者アンケートから右鎖骨下CVポートの欠点としてポート遊走や右上肢違和感などが挙げられていた.そのため当科では,外来在宅治療実施等患者QOLの維持に貢献するCVポート設置部位として左鎖骨下経由左前胸部設置を検討した.右鎖骨下経由右前胸部設置と比較しても穿刺手技や合併症に差はなく,自己抜針が容易,日常生活において違和感が少ないなど優位点がある.右側挿入と比較してカテーテル先端位置には特に留意する必要がある.
索引用語 cvポート, 大腸癌