セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 1

タイトル 外P-481:

外科医によるギアチェンジの現状分析

演者 保田 尚邦(伊勢崎市民病院・外科)
共同演者 木村 慎太郎(伊勢崎市民病院・外科), 諸原 浩二(伊勢崎市民病院・外科), 和田 渉(伊勢崎市民病院・外科), 大澤 秀信(伊勢崎市民病院・外科), 斎藤 加奈(伊勢崎市民病院・外科), 酒井 真(伊勢崎市民病院・外科)
抄録 【はじめに】急性期病院での医療崩壊は止まらず,今,外科病棟は疲弊している.緩和ケアの充実は患者とスタッフ両者のQOLにかかわる重要な問題であり,当院では2009年からPCUを開設し取り組んできたが,いまだ満足な状態ではない.適切な緩和ケアを提供するために,PCUとの院内連携やさらに在宅緩和ケアの専門医療機関との連携の充実が望まれる.そこでわれわれは在宅中心の緩和ケアへギアチェンジするためのツール(安心ブックレット)を作成導入した.当科における緩和ケアへのギアチェンジの現状について検討したので報告する.【対象と方法】2009年6月から2013年3月までに大腸がん術後で原癌死し,詳細な記録がえられた28例を対象とし,ギアチェンジの状況(時期,理由,Karnofsky Performance Status score (KPS)を調査した.【安心ブックレット】在宅を目指したギアチェンジに用いる小冊子で,EBMある生命予後予測(KPSなど)のできる表を応用した日記からなる.緩和医療を専門とする診療所との地域連携を追加し,初版から第2版へ改訂している.【結果】ギアチェンジの理由は,化学療法の終了13例(46%),元気なうち9例(32%)で有症状6例(22%)であった.KPS100-80が19例(68%),70-50が7例(25%),40以下が2例(7%)であった.化学療法中が5例(18%)であり,麻薬が開始されていたのは12例(43%)であった.ギアチェンジ後に,自宅で死亡したのは18例(64%)でギアチェンジは平均135日(18-325)前に行われており,自宅以外での死亡例は10例(36%,うち外科病棟は2例7%)で平均156日(14-312)前と両者の開始時期に有意な差はなかった(p=0.3117).【結語】安心ブックレットによるギアチェンジで,64%が自宅を終の棲家とし,外科病棟での死亡は7%と業務軽減も可能であった.さらなる緩和和ケアの充実のために適切なギアチェンジが望まれる.
索引用語 大腸がん, ギアチェンジ